得点王という称号が目の前にあってもエゴイストにならない。 その精神力の強さや胆力こそ、背番号38の最大の長所だ
決戦の時は、刻一刻と近づいてきている。
川崎フロンターレへのリベンジマッチは、前田大然にとって得点王をかけた重要な90分間になる。ここまで37試合を消化し、レアンドロ・ダミアンと並ぶ22得点。最終節でより多くのゴールを挙げた選手にベストスコアラーの称号が与えられる。
数えること22回ゴールネットを揺らした前田だが、開幕前にその姿を想像するのは難しかった。昨季は8月に加入し、23試合3得点という数字しか残せていない。スプリント能力に秀でているのは明らかでも、ゴールを量産するタイプには正直見えなかった。
しかし蓋を開けてみると、チームをけん引したのは前田という“ストライカー”だった。この男がいなければ、マリノスの運命は果たしてどうなっていたか。「前への推進力やゴール前での駆け引き、どうやって入っていけば相手が怖いかといった部分は上達したと思っている」という涼しげな言葉で語り切れないほどの劇的な進化を遂げた。
それでいてチームへの献身性を失っていないことも特筆に値する。おそらくスプリントの半分はチームを救うための守備機会に記録されたものではないか。自陣深くまで全力疾走し、そこから今度は相手ゴールへダッシュする。そんな姿を何度目にしただろう。
迎える得点王決定戦に向けても普段通りのプレーを強調した。
(残り 390文字/全文: 981文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
タグマ!アカウントでログイン
tags: 前田大然
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ