「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

【ここだけ練習試合レポ】 俊輔不在に備える「中町・小椋・富澤」の3人による中盤 [11/4 湘南戦] (蒼井真里) -1,812文字-

俊輔不在の布陣。課題を抽出するための60分

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1本目

ナビスコカップ決勝のためリーグ戦が開催されない3連休の日曜日、マリノスタウンで湘南ベルマーレとの練習試合が行われた。

1、2本目はレギュラー組が、試合勘とコンディションを保つと同時に、胆嚢炎で離脱・療養中の俊輔が不在の布陣をテストする30分×2本。注目のトップ下には中町がスライドし、ボランチに小椋が入った。

1本目の9分に、左サイドのドゥトラからのクロスを、エリア中央まで入り込んだ小林祐三が巧みにジャンピングボレーで合わせて先制。25分に自陣左サイド、ドゥトラの裏を使われてクロスから失点。2本目の14分、左サイドで学がドリブルで仕掛け、マイナスの低いクロス。エリア内ニア寄りで中町が難しい体勢からもダイレクトシュートをファーサイドに叩き込み、レギュラー組の60分は、2-1で終了。

注目された「中町・小椋・富澤」の3人による中盤の機能性だが、小椋は攻守に慎重で前方への飛び出しは少なく、富澤より低い位置取りを取る場面も少なくなかった。個人的に期待していた「富澤を底に置いて、小椋と中町の2人が積極的にプレスを仕掛ける」光景は見られず。

俊輔が攻守に「スイッチ役」を果たしていたトップ下に入った中町は、「バイタルで変化を付けるのか、少し下がってゲームを組み立てるのか」役割が不明瞭で、得点シーンや、ワンタッチパスでボール回しを滑らかにする以外は、やや存在感が希薄な時間帯もあった。

 

2本目

2本目

1本目中盤まで、タテに勢いある湘南に対しチーム全体として受けに回る時間が長く、少し湘南の出足が鈍り自陣にブロック形成し待ち構えるようになって以降も、プレスの連動性や遅攻の厚みの向上は見られなかった。

レギュラー組のテスト調整は、60分の出来だけで言えば、やや不安の残る内容ではあった。しかし絶対的なチームの中心であった俊輔を欠く布陣が、いきなり機能するはずもない。トップ下にポジションを変えた中町にしても、今季は「いかに俊輔の良さを引き出すか」に腐心して、富澤と共に地味な下支え役を務めてきた。トップ下の「リード役」にアジャストするには時間が必要だろう。

今季のマリノスは敗戦や失敗から学習・修正を繰り返してきた。だからこそリーグ戦では一度も連敗がなく、4試合を残して首位に立っている。新布陣を試した60分の中から課題を抽出し、樋口監督と選手たちが話し合い微調整を行う中で、俊輔の先発復帰が間に合わなかったとしても、確かな自信を持って名古屋戦に臨んでくれる事を信じたい。

 

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