古巣との一戦となった大分戦で窮地から立ち上がり、自身のワンプレーで勝利をもたらした。苦しんだ時間は、これからの血肉や活力となるはず [J21節 大分戦レビュー]
大分トリニータ戦のマン・オブ・ザ・マッチは、文句なしで松原健だろう。
前半をスコアレスで折り返し、後半に入ってマリノスが攻勢を強めていった55分。ティーラトンのクロスは相手DFに弾き返されたが、松原はボールの落下地点を知っていたかのようなポジショニングで待ち受けていた。
普段ならクロスがファーサイドに流れる準備をしたポジショニングを取るが、この時だけはなぜか違った。
「なんとなくマイナスの位置にいたほうがこぼれてきそうだなと思った。そこは感覚だった」
これぞ、感覚派の真骨頂だ。言葉での説明を求めても意味がない。松原自身も説明がつかないからだ(失礼!)。
それに理屈で考えていたら、あのシュートは打てないだろう。不意にやってきた浮き球に対して「浮かさないことをだけを意識して」左足を合わせると、見事にボールの芯をとらえたシュートがゴールに突き刺さる。
派手なガッツポーズはなかった。喜びを噛みしめるように相手ゴールに背中を向けると、その背中に飛びついてきたのはキャプテンの喜田拓也だった。松原はちょっぴり厳しい表情を浮かべていた。
9月27日の柏レイソル戦以来の出場に、静かに闘志を燃やしていたのは想像に難くない。その試合、自身が負傷した接触プレーで、相手選手に重傷を負わせてしまった。診断結果は全治4~6ヵ月の骨折だった。
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