「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

次につなげるための勉強代を支払った。失った勝ち点2を取り返すために、オフ明けの練習からやるべきことをやろう [J13節 神戸戦レビュー]

 

電光石火のカウンターアタックが同点ゴールとなった。

小池龍太が縦に送ったボールは狙いすましたパスか、あるいはクリア気味だったかもしれない。とにもかくにもボールを受けた仲川輝人はすぐさまトップスピードに乗って相手ゴールへ。右のエリキではなく左前方のマルコス・ジュニオールを使い、マルコスはスピードに乗ったまま左足で正確にゴールネットを射抜いた。

 

 

マルコスはその6分後にも、前田大然が倒されてゲットしたPKも冷静に決め、これで今季8点目。15ゴールで得点王に輝いた昨季を大きく上回るペースで得点を量産している。得点ランキングトップには柏レイソルのオルンガという強力なライバルがいるものの、マルコスにも得点王を狙える資格が十分にある。

 

 

後半に入ってもマリノスの攻撃は鋭かった。相手陣内でボール奪取に成功し、少ないタッチ数でヴィッセル神戸の最終ラインを突破。最近は攻撃への高い意識が光扇原貴宏のグラウンダークロスをファーサイドで詰めたのは仲川だった。

 

 

仲川はシーズン初得点から2試合連続ゴール。好調な攻撃陣の波に乗り遅れていた感のあった昨季MVP&得点王だったが、いよいよ本領発揮が近づいている。チームとしてはこの日の3得点を含めて、直近4試合で14得点と爆発が続く。背番号23がさらに調子を上げていけば、マリノスのオフェンスは鬼に金棒だ。

序盤に不用意なミスから失点したが、あっさりと逆転に成功。さらにリードを広げる追加点を奪った。この展開ならば勝ち点3獲得はマスト条件で、途中出場の選手にもアピール弾が欲しい展開。実際に松田詠太郎やジュニオール・サントスにはチーム4点目を決めるチャンスがあった。“たられば”は禁物だが、4点目が生まれていればマリノスの勝利は間違いなかっただろう。

現在の思想やスタイルで言えば、この4点目に届かなかったことが敗因になるのだろう。点取るトライと奪われるリスクはトレードオフのような関係。「チャンスでゴールを決めなければ自分たちの首を絞めてしまう」(ポステコグルー監督)のはサッカーの常でもあり、2点リードしている状況でも、たったひとつのシュートミスが流れを大きく変えることがある。

ただ、この試合に関してはひとつの油断と慢心が大きく影を落とした。

 

ヨコエク

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