「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「あれだけタイトルを獲得していて、自分たちのサッカーをしてこないチームも珍しい」(中町)・「でも28歳か。自分もいい年齢になったな」(兵藤)+富澤・斎藤・藤田他 [柏戦直前インタビュー] -2,455文字-

【players voice】
DF 27 富澤 清太郎

――ネルシーニョ監督率いる柏には一度も勝ったことがない

「相性というか勝ちづらい相手。毎回同じスタンスで戦っていく中で自分としてもそう感じる。個人的にコンディションが整っていなかったり、ウチのシステムが[4-4-2]だったり、いろいろな環境下に置かれる。それがレイソル戦とセレッソ戦にあたる。チームとしてバランスを欠くタイミングで試合をしている気がする」

――レアンドロ・ドミンゲスが復帰するようだが

「攻め残りのケアをしなければいけない。フリーにしたらいけないし、あの位置で前を向かれるとスピードがあって危険。相手のショートカウンター、カウンターの起点に確実になってくる選手。隙と時間を与えるとやられてしまうので注意したい。攻めながらも準備するような意識が必要だし、前を向かせる回数を減らしたい」

――それでも毎回のように苦しめられる原因は?

「自分たちボランチももちろん大事だけど、その前に相手のFWのところで収められてしまうのが苦しくなる要因かもしれない。工藤あたりに頑張られて、2列目の選手に落とされたり、キープされたり。普段起きないことが起きてしまう。ウチのCBがつぶしきれない理由を考えて全体が行動して、まず一つ目ではね返すことが大事。前でキープされると3人目の動きでレアンドロやワグネルに前を向かれてしまう」

【試合に向けて】
樋口 靖洋 監督

「プレシーズンマッチではクラブとして良い発信ができた。基本的に普段のゲームと同じようにできた。時間に関係なく全員があの空気を感じることができた。みんなサッカーをできる喜びを感じたと思う。ここからの半分のシーズンはあっという間に終わる。暑さはこれからだけど、3連戦は天皇杯を含めてもここから3回くらいしかない。基本的には1週間に1試合のペースになる。初戦が柏なのは良い相手。気持ちがグッと締まる。ここで倒さなかったら優勝はない。苦手なチームを作っていたら優勝はできない。

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(栗原)勇蔵は韓国戦でもかなり攻め込まれていたけど、勝って優勝したので気分良く帰ってきたと思う。でも7月から7連戦でやっているし、集中していないとけがのリスクもある。(起用しないという決断について)それをできるチーム状態にある。ファビオの調子は良いし、中澤もマンチェスター・ユナイテッドとのプレシーズンマッチを回避したことで痛みは減ってきている。(齋藤)学は問題なさそう。オーストラリア戦から中5日になる。少なからず自信を付けてきたと思うし、課題も見つかったと思う。それをこれからのJリーグで発揮してほしい。(中村)俊輔は今週は普通にトレーニングできているし、発熱したという話も聞いていないので大丈夫。
柏はウチとの対戦になると良いゲームをする印象がある(苦笑)。最近は3バックを採用しているゲームが多くて、今度の試合はレアンドロ・ドミンゲスが復帰するかもしれない。そういったところで不確定な部分はあるが、いつもウチの良さを消されている。アグレッシブに戦って、そこからリズムを作りたい」

MF 8 中町 公祐

「柏はウチに合わせて戦ってくる。あれだけタイトルを獲得していて、自分たちのサッカーをしてこないチームも珍しい。相手の弱点を徹底的に突いてくる。試合中はそんなにやられている感じはしない。特に相手のボランチはリスクを冒さず上がってこない。横パスも多くて、それをウチがどう捉えるか。回させているだけと考えればいいけど、キツいなと思ったら負け。そういう意味では鹿島っぽいチーム。あとは前線に違いを出せる選手がいるので、その選手たちに決められると苦しくなる」

FW 11 齋藤 学

「代表に選ばれて、実際に行ってみないとわからないことも多かった。でも今回は国内組だけだったので普段の代表とは雰囲気もだいぶ違ったと思う。チームとしてはまとまっていたし、最後に勝って優勝できて良かった。でも代表からまた個人に戻る。個人的にはもっとできるという思いが強い。あの完全アウェイの雰囲気の韓国戦に出たかった。また韓国戦に出られない悔しさが残った。チームとしてのやり方はすごく細かくて、あんなに戦術に縛られたのは初めて。でも代表でプレーする反響の大きさを感じた」

MF 7 兵藤 慎剛

「誕生日はもう過去のこと。過ぎ去った話です(笑)。でも28歳か。自分もいい年齢になったな、と思う。悔いのないようにこれからも毎日を全力で頑張りたい。今年は前半戦を終えて3位という順位にいる。タイトル獲得の大チャンスのシーズンにできている。でも大事なのはこれから。去年もシーズン途中までは上位争いしていて、柏に負けて3位にも入れなかった。いまは大きなけが人もいないし、チーム一丸となって残り半分を戦いたい」

MF 14 熊谷 アンドリュー

「いまは自分自身すごく良い状態で取り組めている。中断期間の韓国遠征や新潟キャンプでの好調を持続できている。だからこそ試合に出て、自分の力を試したい。マンチェスター・ユナイテッドとのプレシーズンマッチでは時間が短い中でも自分のプレーを実践できた。ファウルで止めたシーンは、体でぶつかっても抑えられないと思って、手が出てしまった(苦笑)。ファウルはいけないけど、激しいプレーは今後も続けていく。後半戦はもっとチームの力になって、出場時間を増やしていきたい」

FW 19 藤田 祥史

「マンチェスター・ユナイテッド戦でのゴールはやっぱり反響が大きかった。でもリーグ戦でああいうゴールを決めてチームを勝利に導きたい。いまはマルキの控えという立場だけど、マルキはやっぱりすごい。どんなゲームでもきっちり結果を残す。だから監督も使いたいと思う。自分は残り数分での出番が多いとはいえ、そこで結果を出せば出場時間も少しずつ増えていくはず。というか、そこでアピールするしかない。自分にとってのアピールはゴールすること。もっと長い時間使ってもらえるように、結果を出したい」

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