「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「やっていて久々に楽しかった」(栗原)・「苦しかったけど、いろいろな人が支えてくれた」(天野)+中町・藤田・中村他 [インタビュー] (2,447文字)

【players voice MF 8 中町 公祐 】

――試合を振り返って

「今日はしんどかった。前半、自分たちの時間じゃないときに点を取られたのは今シーズン初めて。それから相手はあまり出てこなくなったけど、こっちが崩せたとも言い切れない」

――後手を踏んだ?

「ピッチがスリッピーで、しかも相手にワンタッチでつながれてしまった。こっちがプレッシャーをかけられない場面が多かった。あとはフィフティーフィフティーのボールが相手に転がっていた。回させているというよりも回されている感じだった」

――やられた感じがあった?

「相手は中盤だけじゃなくて両SBまでうまかった。ボールの奪いどころが定まらなかったし、それが苦戦した理由だと思う。ただ相手は勝負に対してちょっと甘い部分があったかもしれない。そこはウチのほうが上回っていた」

――勝ち切った要因は?

「藤田でしょ。試合後は『満足しているの?』って言ってやった。良かったと思うけど(笑)。去年の最初になかなか勝てなかったときはチャンスがあっても決まらなかった。それが今年は入っている。サッカーは不思議なスポーツだね」

 

【試合を終えて】
樋口 靖洋 監督

「東選手が前に入って前線で3人、4人と絡んでくるコンビネーションはトップレベルいう印象を持っていた。そのコンビネーションをウチがいかに断ち切れるかがポイントになるだろうと考えていたその意味でも中盤の攻防が大きなカギになるとミーティングで話していて、実際にその予測どおりになった。前半ウチはセカンドボールの奪い合いで優位に立てなかった。その結果としてコンビネーションを許してしまった。でも、こういう競ったゲームをしっかり勝ち切ったというのは去年にない部分として選手を高く評価したいと思うし、今後の試合に弾みがつく。(藤田について)トレーニングから調子も良かったし、ゴール前での得点感覚やシュートのうまさ高いものがあると思ってた。だから、きっかけというか、こういう形で点を取るだろうという予感はあった。あらためてトレーニングは嘘をつかないという結果を出してくれて喜んでいる」

DF 4 栗原 勇蔵

「久々というか、乱打戦を勝ててよかった。自分は2失点とも絡んでいたので勝ててよかった。点の取り合いというか、お互いに点を取って追いつかれるという展開で、オレは相手チームに1得点1アシストしちゃったので勝ててよかった。FC東京は前が力あるし、やっていて久々に楽しかった。(渡邉)千真もチュンソン(李)もいいし、東は動いてくるから流動的になる。いろいろな攻撃パターンがあって守るほうも難しかった。でもやりがいがあって、楽しかった」

MF 25 中村 俊輔

「どういうゴールであっても、早めに追いついたのは運が向いている。ニアに速いボールでゴール前でワンバウンドさせる狙いだったけど、それが当たって入った。逆転したけど追いつかれて、メンタル的にタフなゲームだったけど、勝ち切る。数少ないチャンスだったけどそれをしっかり決めた。でも2点目の取られ方や、前半に相手にブロックを作られたときのビルドアップに問題があった。持たされている感がある。そこを揺さぶっていかないといけない。でも前半から肉弾戦みたいに頑張っていると相手の足は止まってくる」

FW 19 藤田 祥史

「まずはチームの勢いを切らずに勝てたのがよかった。FWなのでゴールを目指していたし、あとはチームのため走ろうと思った。1点目はクロスがよかったので自分は触るだけ。2点目もヒョウ(兵藤)がいいパスを出し手くれた。ありがたい。逆転されても自信を持って戦って落ち着いていたから勝てたと思う」

MF 20 佐藤 優平

「チームが勝つことが大事。太田を抑えるつもりだったけど、クロスからアシストされてしまった。でもチームのいい流れを切らないことが大切だった。交代で入った(端戸)仁も2点目の起点になっていたし、自分はこれからも練習を怠らないでやっていきたい。前半はどっちつかずの展開でゲームが落ち着かなかったし、相手はカバーリング能力が高くて裏へ走っても起点を作れなかった。緊張はなかったけど、試合としてガチガチだった」

DF 22 中澤 佑二

「1失点目はしょうがない。ドゥトラはクロスにコースに入っていたし、(栗原)勇蔵は頑張ってボールに触ろうとした。どちらも攻めることはできない。それよりも問題は2失点目。カンペー(富澤)が倒れているところで中盤でボールを奪われて失点した。両脇にスペースがあるのに、真ん中でパス交換しようとして相手にひっかけられた。そこは状況判断が悪かった。でも今日は1点目が大きかった。シュン(中村)のFKが入らなかったら1-0で負けたと思う。自分たちが取りたいところでボールを取れなかった」

MF 7 兵藤 慎剛

「今日は自分もたくさんボールに絡めた。守備ではだいぶ削られたけど、(徳永)悠平さんには絶対に負けたくないと思っていた。自分の足がもうちょっと速かったり一歩目が早く出ていれば抜け出せた場面もあった。でもそこは悠平さんと加賀さんが上だったので、自分ももっと成長したい。3点目のアシストはゴール前で落ち着いていた。最初はシュートを打とうと思ったけど藤田さんが見えた。100%のいいパスだった。まだまだシーズンは長いので、最後のこの順位にいることが大切。FC東京は今までの4試合で一番強い相手だった。そのチームに勝てたのは自信になる」

DF 2 天野 貴史

「クロスは練習のときからフジくん(藤田)とずっと一緒にやっていたし、ニアに入ってくるのもわかっていた。でも今日はなかなか上がるチャンスがなくて、高い位置をとっても相手につかれていた。失点も自分のサイドからだったので気落ちしたし、ヤバいと思ったけど、90分通して勝てればいいと思って上がる瞬間を狙っていた。大けがをして苦しかったけど、いろいろな人が支えてくれた。そういった人たちに感謝したい」

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