「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

長いシーズンで考えれば、この日のような勝ち点1も必ずある。大きな落胆ではなく、前進する歩みのうちの90分と総括したい [J5節 鳥栖戦レビュー]

 


サガン鳥栖戦がJ1リーグ戦デビューとなったGKパク・イルギュ。試合前こそ自身のキャリア形成が脳裏をよぎったというが、いざピッチに立つと「チームが勝つために何をすべきかだけを考えていた」。リーグ戦で2試合勝利がなく、カップ戦を含めると4試合勝ちなしの状況が、フォア・ザ・チームの精神を促進した。

もっともパクのプレー機会は数えるほどで「正直、不安だった」という言葉は杞憂に終わる。キックオフ直後からリトリートした陣形で守備を固めた鳥栖のシュート数は、前半わずか1本に終わり、ややオープンな展開となった後半も4本にとどまった。マリノスが冷や汗と流す場面は皆無で、攻守ともに消化不良に終わったパクは「「難しいシチュエーションがなかったので参考にならない」と複雑そうな表情を浮かべていた。

開幕から失点が続き、直近の大分トリニータでも2失点。そのすべてが飯倉大樹の責任ではないのだが、今季に関してはセカンドGKのパクが及第点のパフォーマンスを見せていたことも考慮してのGK交代だった。週中、アンジェ・ポステコグルー監督はパクの練習の様子を真後ろから見つめ、試合前日に先発起用を決断した。

前記したように、この日の90分だけでパクを評価するのは難しい。とはいえ明らかな落ち度があったわけでもない。ポジティブな意味で来週金曜日の浦和レッズ戦で“追試”を行うのではないか。もちろんそれと並行して飯倉の練習内容も注視する必要がある。この1試合だけで正GKが交代したと判断するのはあまりにも早計だろう。

もうひとり、こちらは先発復帰と表現するのが正しい松原健が今季初出場を飾った。

 

下バナー

(残り 456文字/全文: 1145文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ