「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

久保建英にボールさえ入れば何かをやってくれる期待感。閉塞感がある状況だからこそ、若者らしい快活なパフォーマンスを [天皇杯4回戦仙台戦プレビュー]

 

鹿島アントラーズ戦から中2日で臨む天皇杯4回戦・ベガルタ仙台戦となる。日曜日のヴィッセル神戸戦も見据え、鹿島戦から先発メンバーを大幅に変更する見通し。前日練習で引き続き先発組に入ったのは飯倉大樹、ドゥシャン、チアゴ・マルチンスの3選手のみで、あとの8選手はコンディションに関してフレッシュな面々になりそうだ。

システムは名古屋グランパス戦で採用した3-4-3に戻ることが濃厚に。毎回変わる3バックには、今回初めて畠中槙之輔が先発起用される。両外国人センターバックとのコンビネーションは前日練習で確かめただけだが「問題なくコミュニケーションを取れている」と手ごたえをつかんだ様子。夏のウインドーでの新加入選手として、戦力アップに貢献するパフォーマンスが期待される。

中盤に目を移すと、中町公祐と喜田拓也のボランチコンビはどれだけ前方向にボールを出せるか。この一点に尽きる。両ウイングバックのユン・イルロクとイッペイ・シノヅカは、いずれも本職とは言い難いポジションだけに不安がないわけではない。チームとして彼らをどれだけ押し上げ、横と前方向でサポートできるか。二人がバックパスをしているだけの時は、マリノスの流れが悪いことになる。

 

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注目の前線は、仲川輝人を先頭にしてオリヴィエ・ブマルと久保建英がサポートする形になる。右太もも裏痛からの復帰となる仲川はこのシステムでの使い所が難しい選手だけに、ストライカーポジションで目に見える結果がほしい。ブマルはコンビネーションプレーこそ不得手だが、ほぼ急造の布陣だからこそ個の打開力を見せたいところ。

そして久保はチャンスメーカーとフィニッシャーの両方として輝きを放てるか。チーム状態はお世辞にも良いとは言えず、効果的なボールがどれだけ入るかは未知数。ボールを受けてからの選手なのは間違いなく、裏返して言うとボールさえ入れば何かをやってくれる期待感がある。閉塞感がある状況だからこそ、若者らしい快活なパフォーマンスを見せてほしい。

ピッチ外の喧騒をよそに、選手たちは目の前の戦いに集中する必要がある。リーグ戦と別コンペティションではあるが、同じチームが戦うのだからまったく無関係ではない。悪い流れを断ち切ることがリーグ戦での浮上のきっかけとなり、明日出場する選手たちの評価が変わる理由となる。今は勝利による安堵がこれ以上ない良薬となるに違いない。

 

 

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