「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「最後に背番号10がやってくれるはず」(富澤)「僕は水沼宏太に注意したい」(中澤) 試合直前インタビュー:小椋・祐三・学、他

 

【voice of players :DF 27 富澤 清太郎 (鳥栖戦に向けて)】

裕二には1得点1アシストできる選手になってほしい

――試合に飢えているのでは?

「早く試合がしたい。そういう気持ちを必死に抑えながら練習してきた。今週の最初の練習はテンションが上がりすぎてしまったので、ちょっと反省している(笑)。いまは普段通り、試合前のワクワク感がある」

――目標に手が届くかもしれない位置にいる

「最後に目標達成が可能なところにいるのは、みんながそこに向かってやってきた成果。前回の鳥栖戦は負けてしまったけど、あの試合があるからいまがあるんだろう。きっと最後にACL出場権を獲得できると信じてやってきた。すべては明日のゲーム次第」

――マルキーニョス不在の影響はある?

「マルキの存在はすごく大きい。それは間違いない。でも誰が出ても、その選手の特徴や色が出るはず。いまはそのためのベースができている」

――小野裕二に期待するところがあれば

「裕二はあの若さで自分の地位を確立しているし、周囲からも認められている。いろいろ苦労した時期もあっただろうけど、彼なりの努力でチャンスを引き寄せた。最後に背番号10がやってくれるはず」

――今後、どんな選手になっていってほしい?

「いつも『おれにはできないけど』と前置きしたうえで、裕二本人には1得点1アシストできる選手になってほしいと言っている。彼はゴールゲッターという枠には収まらない。あとはちょっと頭を使うようになれば、GKとの1対1の場面でも浮かすシュートを打てたりすると思う」

――稀有な才能?

「後ろから見ていて、ときどき驚くようなプレーをする。難しいボールもしっかりコントロールできるし、人を使えるボールの持ち方をしている。抜群のスピードがあるわけではないけど、天性のボディコンタクトの強さやボディバランスの良さがある。メッシには届かないだろうけど(笑)、才能を持った選手だと思う」

 

【明日の試合に向けて】

樋口 靖洋 監督

「次が最終節になるけど、チームの出来上がりはここまで思い描いたものの6~7割くらい。まだまだ伸びしろはあると感じている。スタートが悪すぎたというのもあるけど、夏場に3連敗したときもチーム状態はそこまで落ちなかった。ボールを奪うことはできているし、ボールを握ることもできている。あとはそれをどうフィニッシュに結びつけるか。そこはまだ足りないところ。

相手どうこうよりもウチは勝つしかない。鳥栖を叩けば順位は逆転するわけだから。第3節のあの試合は今シーズン一番悔いの残るゲームだった。自分の中で反省している。選手には常にリアクションするなと言っているのに、あのゲーム前を振り返ると「相手がこうだから」と言い過ぎてしまって、それが選手に混乱を与えた。相手の情報は必要だけど、あの段階では自分たちのことをもと考えるべきだった。鳥栖はそのときから変わらずハードワークするし、走力はすばらしい。それに得点源もある。チームとしての力は上がっている。

鳥栖は最終ラインから前線までをコンパクトにしてくる。だから相手のCBを下げたい、あるいはSBの裏を突きたい。(小野)裕二のランニング能力に期待したい。そこでポイントを作れればウチのチャンスは増える。それなりの決意を持ってやってくれると思う。今年は10点は取ってくれると思っていたから。紅白戦や今週の練習では簡単なシチュエーションをしっかり決めていた。そういう予感はある」

DF 4 栗原 勇蔵

「ウチも鳥栖も3位になれる可能性があるのでガチンコ勝負になると思う。最終節まで何かの争いに加わっているのは久しぶりだし、いろいろ条件はあるだろうけどウチはとにかく勝つことしかできない。勝ってほかのチームの結果を待つだけ。豊田はたくさん点を取っているように、嗅覚がある。身体能力も高いし、クロスへの入り方もうまい。上背もあるので注意しないといけない。相手の得点源を抑えれば勝つ可能性も高くなる。まずはそこに集中したい」

MF 8 中町 公祐

「前回の鳥栖戦は相手がロングボールを蹴ってくることを想定して、それに合わせたサッカーをしてしまった。今回は自分たちのスタイルを出して戦っていきたい。相手は3位という位置にいてプレッシャーもあると思う。ウチはとにかく勝つしかない。ゲーム展開としてはどこで時間を作るか。シュンさん(中村)のところか前線か、それとも自分のところか。自分たちのペースで試合を進めて、ホーム最終戦なので勝って一つでも順位を上げて終わりたい」

FW 10 小野 裕二

「こういうチャンスをしっかりモノにしないといけない。出る準備は常にしていた。最近はスタメンから遠ざかっていたけど、外から見ていてもマルキはすごい選手だと思った。今回はマルキがけがで出られないかもしれない。でも、そういう状況じゃなくても自分が出られるようにしないといけない。そのために、自分がゴールを決めて勝ちたい」

DF 13 小林 祐三

「最終節まで高いモチベーションを保てるのはあまりないこと。レイソルに在籍していたときは昇格や残留といった位置だったけど、いまは違う。しっかりと上を見据えたところで戦える。チームの実力的にはもっと上にいてもいいはず。この順位で他力になってしまうのは自分たちの責任。ただ、ここまで望みをつなぐことができたのも自分たちが勝ち点を積み上げたから。だから最後も勝って、吉報を待ちたい」

FW 11 齋藤 学

「ずっと4点のまま時間が止まっていた。札幌戦でやっと2点取れてホッとした気持ちはある。数字だけ見ても、4点と6点ではまったく印象が違う。4点取っている選手は多いと思うから。これが6点から7点になれば、また印象が変わってくるはず。数字だけではないけど、数字を伸ばしていくことは大切なこと。周囲の見方や印象が違ってくるから。鳥栖には負けたくない。去年はJ2で対戦していた相手だし、そのチームがマリノスよりも上にいるには悔しい」

DF 22 中澤 佑二

「周りからは豊田、豊田と言われるけど、僕は水沼宏太に注意したい。アイツに2戦連続でゴールを許すわけにはいかない。それとホームなので最終戦は勝たないとセレモニーが暗い雰囲気になってしまう。ACL出場権もあるけど、それはあくまで他力の部分が強い。まずはウチが勝つこと。ホーム最終戦で最終節なので、勝ってサポーターと一緒に笑いたい」

MF 6 小椋 祥平

「今週からすべてのメニューをこなせるようになった。とりあえずここまでこれたことにホッとしている。紅白戦にも出るだろうし、ステップ的には今週末の練習試合にも出るかもしれない。そのあたりはけが人との兼ね合いもあると思う。リーグ戦には間に合わなかったけど天皇杯にはなんとか間に合う。そこで少しでもチームの力になりたい。今年はけがや病気ばかりでチームのために何もできなかった。最後に少しでもいいから貢献して終わりたい」

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