「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

今度こそホームの日産スタジアムでトリコロールのパラソルを回すために、やれることはあるはずだ [J10節 札幌戦レビュー]

 

前半と後半で対照的なゲーム内容になってしまった。前半はテンポ良くボールが回り、選手も流動的に動いていたのに、後半になるとなぜか意気消沈。決定機と呼べるシーンをほとんど作れず、それどころかボールロストの形が悪く、2失点でまたしても逆転負けとなった。

「後半、相手がウチのサッカーに合わせてきた。ウチが何をされたら嫌かを分析して、しっかり対応してきて、うまくボールが回らなくなった」(中澤佑二)。後半、コンサドーレ札幌はシステムを4バックに変更し、マリノスの良さを封じる策に打って出た。美学を持つペトロヴィッチ監督が勝つためにフレキシブルに動いた。

手段こそさまざまだが、特徴的なスタイルゆえに対応策を練られるとゲーム運びが難航する。サガン鳥栖に敗れた試合と同じで、相手ががっぷり四つで組んでくれないと力を発揮しにくい。好調時が嘘のように、途端にリズムが狂い、ポゼッションに不具合が生じると、当然ながらミスが増える。ミスが増えた時点で、相手を圧倒するサッカーなど不可能だ。

今は、そのミスが失点に直結している。捉え方はさまざまだが、最近のチーム状態や流れといった運の要素も大きく、端的に言えば少しツイていない印象もある。好調時なら何でもないワンプレーが、なぜか失点の原因になる。どのシーズンでも一度は続く出来事で、ネガティブに考え過ぎない思考も必要だろう。

その一方で、運任せだけでは進歩がない。スタイルの是非を問うよりも、そのスタイルが相手に研究され始めているという事実から目を逸らしてはいけない。

 

 

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