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渡辺剛J1デビュー!松本の戦術を真正面から叩き潰して完封勝利に貢献【J1第9節第1報/つよぽん詳報】

 

©Ayano MIURA


◆対策が奏功し、松本を圧倒
 
 ゴールデンウイーク二日目を迎えた4月28日、FC東京は36,412人が詰めかけた味の素スタジアムでJ1第9節に臨み、松本山雅FCと対戦。2-0の勝利を収めた。前半44分、カウンターに転じようとした松本のレアンドロ ペレイラからこの日J1デビューの渡辺剛が鋭い出足でボールを奪い、これを髙萩洋次郎経由で受けた久保建英がドリブルで運んでからパス。この決定的な一撃を注文通りの位置で受けた永井謙佑はウラに出て丁寧に左足で流し込み、東京が先制した。後半32分には久保建英が倒されて得たPKをディエゴ オリヴェイラが決め、これがダメ押し点となった。
 
 できるだけボールを持ちたくない松本は東京からボールを奪ってのカウンターを狙うが、東京はそのカウンターに対して、松本がボールを奪った瞬間に“逆カウンター”で潰し奪い返すか、あるいはすばやいインターセプトでカウンターを未然に防いだ。また松本がボールを持てば激しいプレッシャーで襲いかかり、ボールを奪えば高い技術で松本の選手たちを寄せ付けず、圧倒。松本が意図していたサッカーを真正面から叩き潰すような戦いで勝点3をものにした。
 東京は相手がボールを持った瞬間に、位置関係によってはセンターバックの森重真人または渡辺が無慈悲なまでの速さで対応し、ボールをつながせなかった。松本のフォワード前田大然が「前にほとんどボールが入っていなかった。ボールも触っていないくらいだった。厳しかった。呼んでるんですけど来ないので、それはやりつづけるしかない」と振り返るほど、松本に得点の可能性を与えなかった。前半15分には、ボールを持った前田の前に渡辺が先回りし、そこから先に進ませなかった。圧巻だった。
 

©Ayano MIURA


 この場面をはじめとして、松本対策を打ち出した“圧殺”的なサッカーに渡辺が大きく貢献していた。今シーズンここまでルヴァンカップ全4試合にフル出場。その出来を評価する長谷川健太監督が、むち打ちから快復しきっておらずヘディングをすると違和感があるというチャン ヒョンスの先発を回避し、渡辺の先発を決断した。渡辺は高さを活かした空中戦でも、スピードと予測を活かした地上戦でも、ヒョンスとは異なる持ち味を発揮してかの選手の不在を感じさせなかった。むしろ彼自身が松本対策となっており、強力な武器になっていた。
 
 太田宏介、森重真人、渡辺剛、小川諒也と並ぶディフェンスラインはたしかに顔ぶれがいつもと異なるが、個々には組んだ経験がある。まったくの急造ではなかった。林彰洋が「ことしに関してはやり方をディフェンスラインまたは中盤に伝えています。特にディフェンスラインはルヴァンカップでも人が変わることが多いので、最低限やらなければいけないものは提出しています」と言うように、守備のやり方が事前に浸透していたことも、新鮮な最終ラインの成功を確かなものにした。
 
◆長谷川健太監督「(渡辺を)きょうは安心して起用できた」渡辺剛「(チームメイトに)『ビビらず行け』と言われていた」
 
 長谷川監督に渡辺の評価を求めると、次のように答えた。

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