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【無料記事】緊急選手ミーティング決行。復活の契機となるか(2016/04/30)

低迷脱出をかけて臨んだはずの対アビスパ福岡戦に0-1で敗れ、FC東京に重苦しさが漂った。江蘇蘇寧にアウエーで勝った喜びもつかの間、柏レイソルと川崎フロンターレに敗れ、0-3で全北現代モータースに完敗したあの全北ショックを経て、ヴァンフォーレ甲府との引き分けを挟み公式戦4連敗。この苦境に、青赤イレヴンが動いた。きょう30日、選手だけのミーティングをおこなったのだ。

徳永悠平が具体的な内容を説明してくれた。
「基本原則のところを話しました。戦術はグラウンドの上ですり合わせていくしかないけれども、ミスはみんなでカヴァーする、攻守の切り換えを速くする、ということは確認して、いままでやってきたこと、やりたいことをみんなで共有できるよう、もう一回ここから始めようと。うまくいっていない部分もあって、難しいけれども、いますぐに出来るのはこういうところ」
ACLグループステージ第6戦対ビン・ズオン戦は5月4日にやってくる。8日には湘南ベルマーレとのJ1リーグ戦が待っている。込み入った修正や大掛かりな変更をする時間はない。まずは根本のところを確かめ合った。
「ここを乗り越えればもう一段階上に行って、盤石のものを築けると信じています。とにかく前向きに。下を向いてもしょうがない。個々に自信はあります。試合はどんどんやってきますから、修正して、とにかくブレずにやりつづけるしかない。みんなで乗り越えていきます」

副キャプテンの東慶悟も団結を唱えた。
「みんなでひとつになってやっていくしかない。こういうときだからこそ、もう一回みんなやることをしっかり意識して勝利に向かっていこうと選手だけで確認できた」
過去のサッカー歴を通じ、これだけ短期間に負けつづけたことはない。
「(短期間の連敗)あまりないですね。みんな苦しい。この試練を抜け出せればよくなると信じてやっていきます。まずは選手が勝つというところで精神的な面のミーティングができ、戦術以前の重要なところを確認しました。そこがないとサッカーは厳しい。まずはそこからやっていこうという段階にあると思います」

小川諒也は前日の敗戦に悔しそうな顔で引き上げてきたが、平山相太の、打点が高く、叩きつけすぎてバウンドが大きくなった痛恨のヘディングシュートを思い出すと苦笑いをした。
「こういうときもある。これでまとまるか? ……勝てば、ですね。次、ビン・ズオンに勝ってグループステージを突破すればチームはまとまる。戦術のこまかい話はしていないんですけれども、セットプレーは流れに関係ない。なんでもいいから点を獲りたい」
チームとして満足がいかない結果であることも、周囲に批判される結果であることも、十分に自覚している。
「残留を目標にしているなら話は別だけど、優勝を目標にしているから、この順位ではいけない」

カムバックの日が刻一刻と近づく石川直宏は、ポジティヴすぎるほどのオーラを発散していた。
「ミーティングをやると決めたこと自体が前進だと思う。決してネガティヴじゃない。きょうもいい練習ができたし……。自分はギラギラしているんですけれども(笑)、このギラギラを全体に伝えていきたい。(この低迷からの脱出が)逆に楽しみ。スイッチを入れたいけれど、がまんして……」
リハビリ明けでまだ完調ではない。5月8日のJ3第8節対Y.S.C.C.横浜戦に照準を合わせている。同じ日にトップチームは平塚で湘南ベルマーレと戦うため編成は苦しくなる。出番がめぐってくる可能性があるのでは──と、石川はにらんでいる。
「OB戦のあとの試合で敗れたことは残念でした」
クラブの歴史を思い起こし、そういう部分は自分のような人間が伝えていかないといけないのですけれど──と言う。ファンの気持ちも十二分に理解している。
「いいサッカーでなかったとしても、気持ちや姿勢が見えれば納得してもらえると思う。いま批判されているのは、やることがブレてわかりにくくなっているから」
しかしその批判を受け止め、城福浩監督とともにまとまっていこうと、石川は決意を固めている。それは選手全員が確かめ合ったことだ。
「信頼は揺るがない。監督も含めてみんなで乗り越えていきたい」

この逆風で批判を回避するのは無理だろう。しかし怒りの声に萎縮して負けをつづけたところで、何もいいことはない。勝ったほうが幸せに決まっている。2011年のJ2でも、選手の蹶起(けっき)が逆転優勝を呼び込んだことがあった。いまからでも遅くはない。自らの足で立ち上がった選手たちは、監督もファンも引きずる勢いで進まなければならない。

 

 

 

 

 

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