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【無料記事】西が丘に因縁のカターレ富山を迎えるFC東京U-23、初勝利なるか?(2016/04/09)

あす10日、FC東京U-23は味の素フィールド西が丘にカターレ富山を迎え、J3第4節を戦う。かつて、富山を安間貴義監督が率いていたことがあり、その時期には、元FC東京の平出涼、廣永遼太郎、ソ ヨンドク、FC東京U-18出身の井澤惇、FC東京U-15むさしに在籍していた白崎凌兵などのプレーヤーがいた。彼らだけではない。2014年、東京ヴェルディからFC東京に加入した中島翔哉は、即、富山にローン移籍し、シーズンの半分が経つと、小平に戻ってきた。そしてその年の富山は勝点が伸びず、降格の憂き目にあった。
富山は昨年J2復帰を果たせなかった。そこに、東京U-23がJ3に参戦することで、因縁の対決が生まれてしまった。安間監督が、あるいは中島が、容赦なく古巣を叩きのめすことができるのか。待望の初勝利を挙げたいのなら、心を鬼にして西が丘のピッチに臨む必要がある。

富山の指揮を執るのは三浦泰年監督。2011年には、ギラヴァンツ北九州の監督として、J2に降格したFC東京を苦しめた。東京U-23にとっては警戒するべき相手だ。
選手の力量も侮ってかかれるものではない。10番の衛藤裕は2005年ユニバーシアード優勝メンバー。このときのユニバーシアード代表(大学選抜)には徳永悠平、池上礼一、伊野波雅彦、赤嶺真吾がいた。東福岡高校から福岡大学、そしてサガン鳥栖へという九州のエリートコースを辿った根っからの10番タイプ。前節ではガンバ大阪U-23を2-1で下す決勝ゴールをマークしている。
前節、もうひとりの得点者は苔口卓也。ユース代表で当時の大熊清監督が「コケー、コケー!」と声を張り上げていたことを憶えているファンも多いだろう。いまで言えば、それこそ平岡翼のように、とにかくずば抜けて速く走ることができ、サイドアタッカーとしてそのスピードが注目された選手だ。いまでは経験を積み、得点源として期待されるフォワードとなり、背番号も昨年から9をつけている。
ブラウブリッツ秋田は前がかりに攻めて東京U-23を押し込もうとしてきたが、富山もそうしてこないとはかぎらない。2引き分けののちの初勝利をG大阪U-23から挙げたとあって、勢いに乗っているはず。安間監督と中島への対抗心も考慮すると、難敵と言わざるをえない。

しかし東京U-23にとっては、この第4節がチャンスでもある。いままでは前日のJ1で出場機会がなかった選手が当日合流をすることもあったが、4月10日は西が丘でU-23が戦った数時間後にトップチームが日立台で柏レイソルと試合をするため、兼業は不可能。二班体制となるなら、少ない時間といえども、準備をそのまま活かすことができるはずだ。
オーバーエイジ枠を除くメンバーが前節同様だとすると、幸野志有人、中島翔哉、平岡翼、ユ インス、野澤英之、柳貴博に、FC東京U-18の鈴木喜丈、岡崎慎、生地慶充、松岡瑠夢が加わることになる。関東大学リーグが始まっているだけに、山田将之と矢島輝一の参加は難しいが、そこはオーバーエイジの選手が補うのだろう。
ゴールキーパーはトップチームに秋元陽太と圍謙太朗を割くなら、U-23には榎本達也と波多野豪が割り当てられる。榎本は前節の対秋田でも至近距離の好セーブを連発していて信頼がおける。ここには不安はないと考えていい。

トップチームの試合に出場することを目標としているU-23では、クラブの基本システムである4-4-2を一貫して採用、ここに選手を当てはめ、毎節の布陣を決めている。
第2節からは幸野と中島の2トップでスタートすることが多くなった。幸野はボランチが本職でも、大分トリニータやV・ファーレン長崎で前線を経験していて適性がある。布陣変更によって右サイドハーフに入り、右サイドバックの柳のオーヴァーラップを促す働きもできるし、もちろんボランチに入ることもできるので、運用面での柔軟性を考えると重要なピースになる。中島はフォワードだろうがサイドハーフだろうが一髪がある。どんどん仕掛けてゴールを奪うしかない。イケイケという点では平岡もインスも同じ。個の力で富山守備陣を打破できるか否かに得点、勝利がかかっている。どの段階から出場するのかはわからないが、既に第2節で初ゴールを決めている松岡も、強力な武器となるはずだ。
また、前節では守勢にまわって持ち味を発揮しにくかった柳が右サイドから仕掛けていけるかもポイントになるだろう。
鈴木喜丈、岡崎慎、生地慶充は、過去の起用法を見るかぎり、ボランチ、センターバック、サイドバックのいずれかを担当することになる。大型の鈴木を長い時間観てみたい気もするが……。

三試合を終えていまだ勝利のないFC東京U-23。この試合で初めての勝点を獲得し、自信としたいところだ。そのためにもファン、サポーターの声援は不可欠。西が丘から日立台へ、選手の兼業は無理でも、観戦のはしごはできる。西が丘を青赤で埋め尽くし、周りから東京イレヴンを支えたい。

 

 

 

 

 

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