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【第5報】Review◆0-0で終わっていれば評価もまったく異なったはずの試合の、致命的な失点。次節が正念場/J1 2nd 第11節 横浜F・マリノスvs. FC東京(2015/09/20)

Review◆0-0で終わっていれば評価もまったく異なったはずの試合の、致命的な失点。次節が正念場/J1 2nd 第11節 横浜F・マリノスvs. FC東京

0-0の引き分けで速報を書いていた終盤、後半43分に、富樫敬真のゴールが決まった。そこを除けば、FC東京の守備は、ほとんど破綻していないように見えた。

前兆はあった。後半28分、伊藤翔に替わって富樫がピッチに入ると、いきなりのドリブル。東京のディフェンダーふたりに前方を塞がれて突破はできなかったが、攻撃意欲の高さとメンタルの強さは容易に見てとれた。
富樫は言う。
「監督には思い切りやれ、としか言われた記憶がない。ウラを狙えとは練習中からずっと言われてきていた。ずっと、試合に出たらゴールを狙おうと思っていました。それだけを考えてやれました」

失点はスローインからだ。そして下平匠から中村俊輔に渡り、この中村にほとんどプレッシャーがかからないままクロスを上げられる。クロスの飛んだ先には丸山祐市がいて、そのうしろに森重真人。森重は誰かのマークについている。丸山は前方のボールに備えている。誰もカバーに行けない丸山の背後にして森重の眼前に富樫が眼にもとまらぬ速さで飛び込み、勝負を決めた。
マッシモ フィッカデンティ監督は、その直前に、ウラに抜け出した前田遼一がシュートし損なった場面との対比で、運命的な、勝負のあやを感じ取ったようだ。

少ないチャンスを決めたほうが勝つ試合だった。技術に優れボールを支配する横浜F・マリノスのほうが有利だったことは確かだが、東京もよく防いでおり、試合全体としては拮抗していた。もし0-0のまま終わっていれば、負けなくてよかった、よく引き分けた、と評価されたはずだ。それだけに、なぜあの失点が生じてしまったのかが気になる。
中村俊輔がクロスを上げる前、ボールサイドにはたくさんの選手がいて数は足りていた。

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