【第3報】Review◆明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第12節 浦和レッズ対FC東京/ひとつではなかった敗因(2015/05/18)
Review◆明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第12節 浦和レッズ対FC東京/ひとつではなかった敗因
浦和レッズに2点のリードを許したハーフタイム、FC東京の選手たちに対するマッシモ フィッカデンティ監督の指示は次のようなものだった。
「落ち着いてしっかりボールをつなぐこと」
「とにかく球際で厳しく、戦うこと」
これは公式に配布された「ハーフタイムコメント」のもので、ロッカールームで語られていたすべてではない。しかしほかの試合では同じ「ハーフタイムコメント」でも、もう少しこまかいことが書かれている。比較すれば、その先の踏み込んだ話をする前に、基本中の基本を再確認させなければならないような状態だったことがわかる。まずまともにプレーができなければ、対策を実行しても無意味だ。
そこまで優勢に立たれた時点で東京が逆転勝ちをすることは難しかっただろう。試合後、監督からも選手からも、さまざまな敗因が語られた。どれかひとつだけが真実なのではなく、どれもが当たっていた。
「1失点めをぼくが防いでいればこういう結果にならなかった」という権田修一の談話は、ゴールキーパーの立場からすればそのとおりだ。ゴール前までの進入を食い止められなかったときの最終防波堤が、手を使えるゴールキーパーだからだ。どのような場面であれゴールキーパーが止めて失点をゼロに抑えれば負けることはない。
しかし現実にはシュート機会をすべて阻止することは難しい。高確率で止めてくれればそれに越したことはないが、止め損なうこともある。だからこそ同じやり方で何度もゴール前に攻め込まれないように対策を施すことが大切なのだが、キックオフからフォーメーションを4-4-2に変えるまでの時間帯の東京は、ほぼ無策に見えた。
スタート時点のフォーメーションはトップ下を置かない4-3-3。この狙いはわかりやすい。
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