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【マッチレポート】レビュー/リザルト◆J1第33節ヴァンフォーレ甲府対FC東京、ブーイングが飛び交う結果ながら半歩前進。「あと一試合しかないですけれど、来年に向けて、より精度を上げる必要がある」(羽生直剛)(2014/12/01)

レビュー/リザルト◆J1第33節ヴァンフォーレ甲府対FC東京、ブーイングが飛び交う結果ながら半歩前進。「あと一試合しかないですけれど、来年に向けて、より精度を上げる必要がある」(羽生直剛)

概要○残留確定の甲府と引き分け

11月29日、全国各地でJ1第33節が開催された。8位のFC東京は、13位でJ1残留を確定させたヴァンフォーレ甲府と対戦。アウエー山梨中銀スタジアムに乗り込み、0-0で引き分けた。両チームとも試合後の順位に変化はなかった。
今シーズンかぎりでの退任を発表した甲府の城福浩監督はホーム最終戦セレモニーで「わたしが監督を退任する挨拶をするというのは、初めてです。その挨拶を360度青赤で埋まったスタジアムでできるというのは神さまからいただいた機会だと思います。神さまに感謝したいと思います」と語った。また共同記者会見では、この日右ウイングバック(アウトサイド)で先発、やはり今シーズンかぎりで退団する水野晃樹に対して「彼は守備が得意な選手ではないですけれども、日本代表の左サイドバックを抑えたことは非常に大きいと思います。彼のこれからのサッカー人生に於いて、もちろん攻撃が武器の選手ですけれども、チームプレーができる、貢献できることを証明したと思うので、来季どこでやるかわかりませんけれども、ぜひきょうの試合を忘れずに、またピッチに立ってほしいと思います」との言葉を贈っている。

レビュー○押されたゲームながら半歩前進

0-0という結果だけを見ると「互角だったのか」という印象を抱きかねない。
もしそう思うひとがいたら「いやいや、ヴァンフォーレ甲府がかなりボールを保持して彼らのワンサイドゲームだったんですよ」と言いたくなる。
しかしそれでFC東京が最悪だったのかと言えば、そうではないところが、また難しい。
前節の東京は基盤となる守備を思いどおりにできず3失点してしまったのに、対甲府戦の東京は無失点だった。たしかに何度となくゴール付近まで攻め込まれたが、ゴール前で点を獲られる雰囲気はなく、最後はディフェンダーが死守して甲府に得点を許さなかった。
不満の種類が「シュートを3本しか撃てなかった、1点も獲れなかった」というものに推移したということは、現在のチーム状況から考えれば半歩前進したことと同じである。最終戦はこの無失点の状態を基礎に、得点して勝ち、よいときに近い状態でシーズンを終えることを目標にするべきだろう。言い換えないと、そうした着実なステップを踏まなければ、来シーズンにつながらない。

試合前のマッシモ フィッカデンティ監督に「フォワードの構成がいつもとちがい大型の選手がいませんが、甲府対策なのか、来季を見据えたものなのか」と訊ねると「前回の試合は前線に少しスピードが足りなかったので、今回はスピードのある選手を入れました」と答えられた。
もちろん、勝つためのメンバー選考ではあっただろう。

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