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【詳報】練習試合レポート◆FC東京vs.明治大学/渡邉千真ハットトリック! チームとしては反省点も……/渡邉千真の手応え/羽生直剛の反省[4,406文字](2014/06/28)

練習試合レポート◆FC東京vs.明治大学/渡邉千真ハットトリック! チームとしては反省点も……

 

2-0となるゴールをマークし、祝福される米本拓司

2-0となるゴールをマークし、祝福される米本拓司

 

 
秋田県にかほ市の仁賀保グリーンフィールドでキャンプを張っていたFC東京が27日夜に帰京。29日のオフを前に、28日15時30分から小平グランドにて明治大学との練習試合をおこなった。試合形式は45分×2本。この日に試合を設定した理由は、マッシモ フィッカデンティ監督によれば、公式戦(天皇杯)が近づきペースを上げていく必要があるから──とのこと。このあとU-19日本代表(7月2日水曜日)、川崎フロンターレとの練習試合も控えている。その一環ということだった。一本めの最終スコアは2-0、二本めは4-1となり、合計6-1でFC東京が勝利をあげた。
二本めは、公式戦で無得点の期間が長くつづいている渡邉千真がハットトリックを達成。期待を抱かせるいっぽう、一本めには特に長く押し込まれる時間帯があり、反省も残った。

ファーストハーフ45分間の先発メンバーは塩田仁史、松田陸、徳永悠平、カク ヒジュ、太田宏介、高橋秀人、米本拓司、東慶悟、河野広貴、武藤嘉紀、エドゥー。フォーメーションは4-3-1-2(4-1-2-1-2)である。

キックオフから明治大学に押し込まれた。じつに40分近く。キャンプの疲れもあったのかもしれない。しかし39分に河野広貴→エドゥー→米本拓司とつながって最後に再び河野の許へと渡り先制。つづく40分にも左サイドの太田宏介から上がったクロスを米本がヘッドで決めて2点め。東京は2-0のリードで前半を折り返した。インサイドハーフの米本が絡んでの得点に、マッシモ フィッカデンティ監督は、
「中盤の選手の得点は増やしていかないといけない。きょうはタイミングの合ったプレーをしていた。14節までは得点を奪えませんでしたから、残り20試合で得点力を上げて結果にむすびつけていきたいと思っています」

セカンドハーフは若干のメンバー変更でスタート。東が羽生直剛、河野が三田啓貴に替わった。9分から10分にかけて2トップの武藤とエドゥーが渡邉千真と平山相太に交替。19分から20分頃には吉本一謙、野澤英之、石川直宏が投入され、フォーメーションが4-4-2に変わった。野澤と三田のドイスボランチ、石川と羽生のサイドハーフという構成。

するとタテへの勢いが出るようになり、ウラを衝く攻撃が奏功する。
「石川選手はサイドを強くいく選手なので、選手のクオリティに合わせたフォーメーションの変化だったと思います」(マッシモ フィッカデンティ監督)

6月15日からは4-3-1-2で守備と攻撃の戦術練習を繰り返し、練度を高めてきたマッシモ東京。この変化は唐突合だったが、それゆえに効果があった。

23分、平山のスルーパスに呼応してウラに抜け出た渡邊が相手ディフェンスとキーパーを抜ききり、置き去りにしてこの日1点め(3-0)。26分には左サイド手前からファーサイドを目がけて蹴ったフリーキックがどんぴしゃ! 吉本の頭に当たり、ボールはきれいにゴール左へと吸い込まれた。これで4-0。
吉本一謙は言う。
「いいボールでした。ああいう(決められる)ボールを決めていくのが大事ですから、公式戦できちんと決められるように練習していきたい」

30分には渡邊が2得点。平山のパスにウラへと抜ける同じパターンで、最初は右からキーパーを乗り越えるように、次には左からキーパーをかわし、連続してゴールを決めた。これでトータル6-0。さすがに明治大学のゴールキーパーからも、集中を切らさないよう叱咤が飛ぶ。そこまで追い込んだのは、フォーメーション変更後のチーム全体の勢いと、渡邊&平山の「国見2トップ」の力だった。
36分には三田から出たパスを石川が右からクロス、これは中央を素通りするが、左で受けた羽生がクロスを入れ、平山がヘディングシュート。わずかに逸れるが惜しいフィニッシュだった。そして40分にはピッチの左寄り中盤で、相手選手からボールを奪った平山が自らショートカウンター。シュートには到らないが迫力のある場面だった。46分には石川の左コーナーキックが狙いどおりにファーサイドの平山へ。このヘディングも実らなかったものの、平山に点を獲らせようという意図の感じられる攻撃で東京が押しまくった。

だが渡邊いわく「バテてしまった」という終盤、もういつ笛が鳴ってもおかしくないアディショナルタイムの後半47分、雨がスコールのように急激に強くなった瞬間、東京は明治大学の反撃に遭い、押し込まれて失点した。2本めは48分15秒頃に終了。トータル6-1で「小平復帰戦」を終えた。

マッシモ フィッカデンティ監督はキャンプと練習試合の成果を簡潔に振り返る。
「きついトレーニングを組んできた。いいボールもあったと思う。この調子で成長していくことが大事です。月曜日からモリゲとゴンダ(森重真人と権田修一)も帰ってくる。技術の面でもパーソナリティの面でも助けになってくれるでしょう」

小平で再始動した6月15日からの五日間とにかほでの八日間、プラス28日の二週間、ぶっ通しで取り組んできた「第一クール」を締めくくる一戦には、希望だけでなく課題や反省も残った。オフを挟み、天皇杯とJ1第15節に向けて加速する「第二クール」には代表組を合わせたオール東京体制で臨む。このメンバーで課題を克服し、さらなる成長につなげてほしい。

◆渡邉千真の手応え

大きな希望となるのは、もちろん渡邉千真のハットトリック。殊勲の9番に話を訊いた。

──ケチャップドバドバはそろそろ?
「出てくればいいですね!」

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