青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン

【マッチレポート】レポート/リザルト◆Jリーグヤマザキナビスコカップ/Aグループ 第7節(最終節)東京対鳥栖、奇蹟の予選突破はならず「相手を相対的に上回るスピードで成長しないといけない」(高橋秀人)[3,495文字](2014/06/01)

レポート/リザルト◆Jリーグヤマザキナビスコカップ/Aグループ 第7節(最終節)東京対鳥栖、奇蹟の予選突破はならず「相手を相対的に上回るスピードで成長しないといけない」(高橋秀人)

6月1日、全国各地でJリーグヤマザキナビスコカップ予選リーグ第7節が開催された。予選突破がかかったグループステージ最終節にして、中断期間前、最後の公式戦。勝点7でAグループ4位のFC東京はホーム味の素スタジアムに同5位のサガン鳥栖を迎え、0-2で敗戦。グループ突破はならず、大会から去ることになった。
清水エスパルスが鹿島アントラーズに3-0で敗れたものの、ヴィッセル神戸がベガルタ仙台に2-1で勝ち、東京が鳥栖に勝ったとしても予選突破はなかった。しかし引き分けすらできず、ナビスコを三連敗で終えたことで、すっきりとした終わり方ではない。

**********

試合の立ち上がりはFC東京が主導権を握った。トップ下の河野広貴から斜めに出したパスにトップが呼応、平山相太が、エドゥーが、右から中央へとクロスを送った。
しかしこのチャンスを生かせないと、じょじょにペースはサガン鳥栖へ。13分には左サイドからの速いクロスに、ファーにいた豊田陽平が頭で合わせる。このヘディングシュートは塩田仁史が至近距離でセーブ、窮地を逃れるが、その後の鳥栖の得点を予感させる攻撃となった。

33分には中央を抜け出したエドゥーが鳥栖ゴールキーパー林彰洋と1対1になるがシュートは正面。東京はこのほかにもアディショナルタイム終了間際にエドゥーのシュートが弾かれてチャンスになりかけるが河野に合わず無得点で前半終了。対する鳥栖は44分、ゴール前で波状攻撃。これらのシュートは塩田が連続してセーブ、難を逃れたかと思われたが、三撃めの安田理大のシュートがゴールラインを越え、ついに失点。0-1でファーストハーフを折り返した。

後半12分、ペナルティボックス内にて、鳥栖フォワード池田圭がオフサイドにかからず、ラインのウラに出る。セットプレーからの流れでラインを上げた状態になっていた東京イレヴンは戻りきれず、池田に蹴り込まれ、0-2と2点ビハインドを負う。結局、両チームとも追加点はなく、東京はそのままのスコアで敗れた。武藤嘉紀、米本拓司、松田陸の途中出場も実らなかった。試合後のゴール裏にはブーイングが渦巻いた。

**********

勝ったり負けたり。よくなったと思えば内容も悪くなったり。あるいは、一試合のなかでよい面、悪い面が混在する。
煮ても焼いても食えない、今シーズンのFC東京を象徴するような試合になってしまった。
この敗戦を悔しがらない選手はいない。試合後のミックスゾーンは悔しさと危機感に充ちていた。

2失点とも完璧に崩されたという失点ではない。しかしそれだけに、しかも獲られた時間帯や状況がよくないだけに、もったいないし、悔いが残る。試合運び全体としては、先制されたことで後手にまわった。特に2失点を喫したことで3得点を狙うべく攻め込むしかなくなったのは致命的だった。それは今シーズンにめざしている戦い方ではない。
「ああいうのは自分たちがやろうとしているかたちではないし、監督が求めているものでもない。2点獲られると苦しい。もったいない失点をなくしたい。もったいなくても崩されても1点にはちがいないけれど、自分も含めてどうにかできるという思いもある。きょうは勝利だけを見ていた。最後、苦しいままで終わってしまった。応援してくれたひとたちに対しても申し訳ないですし、またここから取り返していきたい。次の試合までに時間があるので、その期間に監督が求めているかたちの完成度を上げて、もっと強い勝てるチームになっていきたいと思います」
こういうのは吉本一謙だ。
「ゼロでどれだけ抑えられるかということが大事だったと思う。その意味では失点した時間帯も悪かったし、残念。もったいない、防げたと思います。きょうはみんな最初から集中していただけに悔いが残る」
2失点めについては「あれだけフリーになるのはおかしい。チームの決まりをもっと詰めていかないといけないといけない。個人としての面もあると思う」

課題は攻撃面にもある。得点力もそのひとつだろう。

(残り 1845文字/全文: 3581文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ