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【マッチレポート】レポート/リザルト◆J1第13節徳島対東京、徳島のゲームプランと「謙虚さ」にはまった青赤軍団、想定外の引き分け[3,278文字](2014/05/11)

レポート◆J1第13節徳島対東京、徳島のゲームプランと「謙虚さ」にはまった青赤軍団、想定外の引き分け

連休最終日の前節から中三日で迎えた5月10日、全国各地でJリーグ ディビジョン1 第13節が開催された。三連敗中のFC東京は大塚鳴門スポーツパークポカリスエットスタジアムに乗り込み、今シーズンまだ1勝と苦しむ徳島ヴォルティスが相手となる難しいシチュエーションの一戦に臨んだ。
なんとか久しぶりの勝点3が欲しい東京。しかし徹底して守る徳島のゴールをこじ開けることができずスコアレスドロー、徳島にホーム初勝点を献上した。四連敗は免れたものの引き分けに終わり、東京は無得点と未勝利がつづいている。
試合後の東京ゴール裏では藤原コールが起きた。これに応え、FC東京U-18出身、徳島でサイドバックなど複数のポジションを務める藤原広太朗が挨拶に赴いた。

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敵陣内へと積極的に攻め込む立ち上がりの15分間で得点できなかった東京はペースをスローダウン。決してボールを奪いにこない徳島を相手に無理に攻め込まず、ゆっくりとボールを廻しながら、後方のリスク管理を怠らずにゲームを進める。このためカウンターになってもディフェンスは落ち着いて対応、危険な場面はなかった。しかし序盤にあった米本拓司のミドルシュート(8分)、ペナルティボックス内の渡邉千真の左足シュート(13分)、その後の東慶悟と平山相太のヘディングシュート(26分と29分)など、いくつもの決定機を逃したのは残念だった。

無得点で終わるわけにいかない東京はセカンドハーフの立ち上がりから攻勢に出る。しかしこれが徳島につけいる隙を与え、彼らのカウンターを誘発してしまう。
相手ゴール前に張り付いて攻撃していた後半16分には、渡邉千真からマイナスのパスを受けた徳永悠平が前に出ようとしたところ、その勢いを利用して向かってきた高崎寛之にボールをさらわれ、そのまま攻め上がられシュートされる場面があった。これは高崎が右に外して救われたが、東京にしてみればひやりとするシーンだった。
その後は徳島が小島を宮崎光平、高崎をドウグラスに替える「パーツ交換」的な交替でしのぎきり、東京は徳島のゴールをこじ開けることができず、0-0で試合を終えた。

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渡邉千真の談話がこの状況の解読に役立つだろう。
「自分たちがイケイケ状態になってしまった。もう少し長い時間ボールを持ってゆさぶったほうがよかったのかもしれない。それでピンチをつくられることもなかっただろうし。
1点獲れば相手も出てくるだろうし、自分たちも少し落ち着いて廻せると思うんですけど。何試合も点が獲れていないので、前に前に(行ってしまった)」

90分間、前からプレッシャーをかけてハイペースで攻めつづけることは体力的に難しい。ましてコンディション面で確実に相手を上回っている状況ではないのなら、なおさらだ。
だからハーフの始まりと終わりに全力を出して点を獲りに行き、そのほかの時間帯は状況をみながら臨機応変に攻めどきを見つけて相手ゴールに襲いかかる、というめりはりをつけるべきだろう。
しかし0-0でセカンドハーフに入り、後半45分間もじっくり、悪く言えばちんたら、ボールを廻すことは難しい。時間がなくなっていくにつれ、ゆっくりしていたら点が入らないのでは……という不安が頭をもたげてくる。
相手の逆襲を承知で前に出て行かざるをえない。
ただ、これは徳島が望む展開だった。

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