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【今週の小平】コラム◆野澤英之、ロンドンへの苦い船出(2014/03/27)

コラム◆野澤英之、ロンドンへの苦い船出

「あの自分のミスで1点目を奪われ、2失点目も似たような状況からのカウンターによるもの。一回目のミスは仕方がないとしても、二回目に同じようなミスで失点したことはよくなかったと思います」

野澤英之がU-21日本代表候補トレーニングキャンプから帰ってきた。
2016年のロンドンオリンピックをめざし、新たな仕切り直しとも言うべきグルーピングの端緒になる合宿。今シーズンのJ1、Jリーグヤマザキナビスコカップでの実績も加味されてだろう、野澤はこのメンバーに入った。
3月24日から始まったキャンプの最終日は味の素フィールド西が丘に於けるU-19日本代表との練習試合、30分×3本。野澤は原川力(京都サンガF.C.から愛媛FCに期限付き移籍中)とともにボランチを組み、先発。2本目の15分までプレーした。
先制点はU-19日本代表。野澤のパスが宮市亮にカットされ、南野拓実がゴールに決めた。二分後の2点目もショートカウンターから決めた(オウンゴール)ものだった。3本トータルではU-21日本代表が4-2で勝利したが、野澤個人としてはロンドンへ向けて苦い船出となった。
いくばくかの自責の念、そしてそれとは対照的な成長の手応え。ネガティヴとポジティヴ両面のおみやげを携えての帰還だ。

U-21日本代表チームそのものは、各年代の代表チームや大会で顔なじみの選手ばかり。年上に囲まれるクラブとはまた異なる空気を吸うことができたようだ。
「年が近いこともあり、よい雰囲気でやれていました。知らない選手がいないくらい。手倉森(誠)さんは今回の合宿が初めてなんですけれども、やっぱり熱い監督なんだなと感じました。でもそれだけでなく、思ったよりこまかい。戦術もこまかくミーティングをやりました。それはちょっと予想外でした」
ベガルタ仙台時代、手倉森誠監督が誰よりも先にクラブハウスに入り、夜、日付が変わる頃になってようやく最後に退出するほど、分析と研究に勤しんでいたこと。Jリーグの公式戦で、ハーフタイムの修正をネタばらし、絶妙かつ的確な布陣変更で試合に勝った要因を話すのが常だったことを教えると、野澤は納得していた。
「吸収できるものは、すべて吸収したい」
野澤の顔が輝いた。

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