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【無料記事/新体制発表】「ナオさんが憧れでしたけど、いまはポジションを争うライバル」新加入選手コメント◆武藤嘉紀! 一問一答![2,059文字](2014/01/20)

◆石川ナオとポジションを競う背番号14

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新しいチームが始動するこの時期、ファン、サポーターが気になることと言えば、もちろんその新しいチームがどんなサッカーをするのか、そしてどのようなメンバーになるのかに集約されるだろう。

新人選手四人のうち、攻撃的なポジションの選手はふたり。しかも、ふたりともスピードスターだ。
ただしマッシモ フィッカデンティが基本と考えているらしき4-1-2-3のなかで配置の仕方は若干ちがうようだ。そこに特性のちがいもあらわれている。

本人が言うように「スピードに乗ったドリブル」が持ち味の武藤嘉紀は、速く走るとは言っても、佐藤寿人的な一瞬のウラへ抜け出す速さに特化したというよりは、スペースが有る状態で20~30メートルくらいの距離を一気に駆け上がるときに、さらに活きるタイプだ。

昨シーズン、特別指定で参加したときのトレーニングマッチでもそうだったように、今シーズンの紅白戦では、武藤は主に左サイドで起用されている。フォーメーションが4-1-2-3なのでサイドハーフではなくウイングということになるが、ワイドを駆け抜けてのクロスかシュートを求められるポジションだ。

武藤が憧れた選手は石川直宏。練習では石川が右、武藤が左で共存することが多いようだが、プレースタイルが酷似しているだけに、もちろんポジション争いになる可能性もある。それは武藤も覚悟している。
「東京に入れたことは嬉しいが、試合に出なければいけない」
くしくも背番号は14。かつて石川とサイドハーフのポジションを争った佐藤由紀彦の番号だ。以降も阿部吉朗、馬場憂太、中村北斗が背負い、古くはヨハン・クライフの代名詞。このきらびやかが数字が味スタのピッチを舞う日の到来を待ち望んでいるのは武藤だけではないはず。

慶應大学を退部、卒業前にプロの世界に飛び込んだところに、勝負にかけた姿勢がうかがえる。以下に紹介する新体制発表の囲み取材でも、そうした心境はにじみ出ていた。

◆一問一答! 武藤嘉紀

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──慶應大学を卒業する前にFC東京へと加入したいまのお気持ちは。
「二年間、特別指定選手としてプレーして、満足いく結果を出せませんでした。しかしもうしっかり契約したということでお客さんではないので、自分のプレーをしっかりとアピールして試合に出たいと思います。
卒業を待たなかったのは、いち早くレベルの高いところでプレーをしたいというのと、FC東京のスタッフの方々が自分にオファーをしてくださったので、その期待に応えたいということが理由です」

──背番号が14になった経緯は?
「特に経緯と呼べるものはありません。スタッフの方に決めていただきました」

──クラブにもっとも評価されたポイントはどこですか。
「スピードに乗ったドリブルと決定力、だと思います」

──ポジションはサイドハーフと言われていますか?
「3トップだとしたら左サイド(ウイング)だったり、まだフォーメーションはわからないですけどサイドハーフだったりするのかなと」

──きょう(18日)はウイングでのプレーでスピードを発揮していたと思いますが、気持ちよくプレーできましたか。
「そうですね、気持ちよくプレーできました」

──紅白戦でゴールを決めたときの声援は……。
「いや、集中していてあまり聞こえなかったんですけど、いいプレーができたんじゃないかと思います」

──大学サッカーで得られた何かはありますか。
「そうですね……やっぱり、うまくいかなかったときに自分でどう修正してくかという能力が培われたのではないかと思います」

──「よっち」という呼ばれ方は気がついたらそうなっていたんですか?
「そうですね、たぶん母親から始まったと思うんですけれども、小、中、高、大、全員。ユースの監督だと倉又(寿雄)さんも“よっち”って言ってくださっていて。ずっと誰からも“よっち”と呼ばれていました」

──よちよち歩いていたからではなく。
「全然そういうことではないと思います(笑)」

──ユースのときに観ていたトップチームの印象はどんなものですか。
「憧れの選手たちで、近づきがたいというか。ここで自分がプレーするのかと想像できないくらい上の人たちだった」

──そのトップチームの一員になって……。
「そうですね、自分もFC東京サポーターだったので、ちいさいときから。その味スタでプレーできるのはほんとうに夢のようです。かと言って(所属しただけで満足するのではなく公式戦に)出なければいけないな、と思います」

──FC東京から誘いがあったとき、嬉しい気持ちが多かった?
「そうですね。ほんとうに嬉しかったです。嬉しい気持ちが多かった」

──憧れ、という話がありましたけど、目標としている選手は……。
「やっぱりナオさん、石川ナオさん。ユースのときからずっと観ていましたし、ナオさんみたい……憧れでしたけど、いまはポジションを争うライバルになる。自分もしっかりアピールして、ナオさんのポジションを獲れるようにがんばりたいと思っています」

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