「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【トピックス】シリーズ新加入〈4〉 MF8 齋藤功佑(23.2.16)

シリーズ新加入〈4〉 MF8 齋藤功佑

ボールタッチがやわらかければ、身のこなしもやわらかい。背後から接近する相手の動きを察知し、トラップと同時に逆を取って前を向き、左右に目を配りながらボールを運ぶ。齋藤功佑のほれぼれするような巧さを、僕は感嘆しつつ見つめた。

中盤での軽妙なプレーから一転、ゴール前ではシャープに脚を振り抜く。利き足の右だけではなく、左足も。そのうえ、ラストパスを出せる選手だ。

1月27日、藤枝MYFCとのトレーニングマッチでは、ゴールを狙えるチャンスを得ながら加藤蓮の得点をアシスト。より確実にネットを揺らすプレーを選択している。「功佑くんが打つかなと思ったんですが、ちゃんと自分の動きを見ていてくれましたね」(加藤蓮)。

ハイレベルなミッドフィルダーの加入を頼もしく思う反面、どうして? の思いがずっと消えない。なぜ、J1に昇格する横浜FCからこのタレントを完全移籍で獲得できたのか。同クラブの生え抜きであり、25歳とこれからピークを迎える年齢だ。

僕にとって東京ヴェルディはかけがえのないクラブになったが、一方で日本サッカー界における立ち位置やパブリックイメージは客観的に把握できている。古豪、斜陽、トワイライト、栄華の燃えがら――。どれでも好きな言葉をあてがってくれて構わない。期待を持ち続けているのはほんの一部で、取り巻く目線は厳しさを感じることのほうが断然多い。

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