「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【インタビュー】A Secret on the Pitch ピッチは知っている 〈7〉『35歳、アジアを駆ける』一柳夢吾(台中Futuro)前編(20.4.25)

2019シーズンから台湾プレミアリーグの台中Futuroに所属する。写真提供=一柳夢吾

2019シーズンから台湾プレミアリーグの台中Futuroに所属する。写真提供=一柳夢吾

A Secret on the Pitch ピッチは知っている 〈7〉
『35歳、アジアを駆ける』一柳夢吾(台中Futuro)前編

 

新型コロナウイルスの感染拡大により世界中で混乱が続くなか、台湾リーグは東アジアで唯一開催されている。そこで、トップディビジョンの台湾プレミアリーグ、台中Futuro(タイチュウ フトゥーロ)に所属する一柳夢吾とコンタクトを取った。
東京ヴェルディユース85年組のひとりで、今年35歳。ベテランの域に達し、プロ17年目のシーズンを迎えている。台湾リーグが開幕できた理由、なぜ台湾に新天地を求めたのか、現地での生活ぶりや東京V時代に培われた根っこの強さなど、次から次へと興味深い話が飛び出してきた。(収録は4月17日、LINEのビデオ通話で行った)

 

■快適な台湾生活

――今日はお時間をいただき、どうもありがとう。読者のなかには一柳夢吾の名を懐かしく思い出す人がいると思います。
「時間はゆとりがあるので大丈夫です。ようやく自分のことをチェックしてくれましたね」

――遅くなって、ごめんなさいね。なかなか海外まで手が回らなくて。台中Futuro、12日の開幕戦勝利(台湾体育大学に2‐1)おめでとうございます。一柳選手はアシストも記録されたそうで。
「ありがとうございます。アシストしたのは先制点。コーナーキックをファーサイドから折り返し、味方が決めてくれました」

――世界各国が新型コロナウイルスの対応に四苦八苦するなか、台湾リーグの開幕は日本でも話題です。他に先駆けて迅速に手を打ったのが、感染拡大を最小限に食い止めた要因だとか。
「そうだと思います。今年は1月10日からタイでキャンプがあり、それが終わって僕は一度日本に帰ったんですね。2月上旬、台湾に入ったときは空港で渡航歴などの問診を受けています。印象的には、まだそこまで厳しい管理ではありませんでしたが、その時点ですでに学校は休校になっていました」

――状況を見極めて無観客での開幕となったのでしょうが、見送りになるかもしれないという不安感は?
「感覚的にはふつうに練習ができていたので、たぶんやれるだろうと思ってましたね」

――現在、日常生活で支障を感じることは?
「いまのところ、ほぼないかな」

――外出制限も?
「自由です。僕が住んでいるところは台中で、台北のほうは電車やバスなどの公共交通機関はマスクの着用が義務づけられていると聞いています」

――日本は大変ですよ。
「らしいですね。台湾はお店も通常営業していて、いつもの様子と変わりない」

――チームメイトと集まってごはんを食べることも?
「集まるなという要請は受けていませんけど、集団行動は自主的に多少控えてます」

――あらためて、2019シーズンから台湾に新天地を求めた理由を聞かせてください。
「2018シーズンでザスパクサツ群馬との契約が終わり、もう一度、海外でサッカーがしたいと思ったのが動機です。国にはこだわらず、あちこちに話を振っていたところ、たまたま台湾の話をもらって」※一柳は2014年からタイリーグで2年間プレーしている。

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