【インタビュー】A Secret on the Pitch ピッチは知っている 〈6〉『サッカー選手が勝手に育っていく土壌』土持功(ヴェルディS.S.相模原代表)中編(20.3.30)
A Secret on the Pitch ピッチは知っている 〈6〉
『サッカー選手が勝手に育っていく土壌』土持功(ヴェルディS.S.相模原代表)中編
※前編はこちら。
■いつも何かを狙っている南秀仁
――南秀仁選手(モンテディオ山形)はヴェルディS.S.相模原のジュニアユースに所属し、東京ヴェルディユースに送り出しました。
「中1のとき、最初に見た印象はスルーパスしかしない選手。点になれば、それでいいものだと捉えているフシがあった。何やってんだ、そもそも本当のスルーパスはそうじゃねえぞ、と怒ったのが出会いだと思います」
――本当のスルーパスとは?
「相手の逆を取るのがスルーパス。簡単に言うと、受け手がダイレクトか、ツータッチでシュートできるパスのことです。読売(クラブ)では、ノールックは当たり前。パスの出し先を見てキックするボールなんて通らない。相手にコースを読まれているなと感づけば、一旦持ち替えて、逆方向に蹴るふりをしてアウトサイドでびゅんと出す。相手の重心の逆を突く。それがスルーパス。ジョージ(与那城/ミスター・ヨミウリと呼ばれた名選手。現役引退後、読売クラブの監督、東京ヴェルディのコーチなどを務めた)が逆側を見ているときほど、あ、絶対こっちにパスがくるぞと裏に走ったものです。自分たちはそれを遊びのなかでやっていた。形で教わった選手には無理」
――読売、ヴェルディらしさの原型のひとつですね。
「僕はそれがサッカーだと思うし、そういったプレーをやれる選手が少なすぎる。ボール回しの巧さだけで」
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