【新東京書簡】第五十五信『都心の風景』後藤(19.4.17)
第五十五信 都心の風景
■豪華メンバーのカップ戦
昨年来、スタジアム問題がクローズアップされている。FC町田ゼルビアと東京ヴェルディとFC東京、どこが代々木を制するのか、という目線でね。スポンサー同士がその界隈で競合している間柄ということもあって、渋谷区という場所が持つ意味が大きくなっている。
先週の水曜日、55年ぶりに秩父宮ラグビー場でサッカー興行があった。国立競技場が改修中だから、千駄ヶ谷、信濃町、外苑前の各駅からの徒歩圏でサッカーを観るのは久しぶりということにもなる。平日の夜、しかも激しい雨というシチュエーションだったけれど、大勢の観客が詰めかけた。
FC東京のファンとしては、ぜひとも見なければならない試合でもあった。ルヴァンカップのグループステージ第3節。ここまで2連敗でグループ突破の可能性が低くなってきた状況で、長谷川健太監督は「現時点でのベストメンバーを組む」と公言してリーグ戦のメンバーを投入してきた。
今シーズンの青赤軍団はJ1とルヴァンカップ、そしてJ3でメンバーを分け、ローテーションをさせて試合に臨んできた。もちろん厳密にはJ1とルヴァン、ルヴァンとJ3のメンバーは重なるけれど、少なくともファーストユニットとセカンドユニットが明確に分かれるような塩梅になっていた。
ところがこの日は林彰洋、室屋成、森重真人、太田宏介、髙萩洋次郎、大森晃太郎、永井謙佑と、7人の主力級を投入した。ほとんどがリーグ戦のメンバーだったんだ。そこにスーパーサブとなっている新外国籍選手のナ サンホとジャエル、アカデミー出身の渡辺剛と岡崎慎が加わる。この4人はリーグ戦メンバーに割って入るほどのよりすぐりと認定されたようなものだし、センターバックを本職としながらJ3ではボランチで出場している岡崎に関しては、ボランチでトップに合流できるかのテスト的な意味合いもあった。
結果的には久保建英が決めたフリーキックのひと振りが大きなニュースになってしまったけど、コンテンツそのものが魅力的でもあったわけだ。平日夜のカップ戦でリーグ戦メンバーを観るのは、なかなかない経験だからね。
■見慣れない光景
でも内容にもまして、やっぱりシチュエーションが
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