デイリーホーリーホック

【HHレポート】[HOLY SPONSORS]第30回・常磐神社「『文武両道』『一張一弛』の精神を心に」(2015/1/19) ※無料記事

水戸ホーリーホックを支えてくれるスポンサーさんにお話を聞く企画「HOLY SPONSORS」。第30回目にレポートさせていただいたのは、メディアスポンサーであり、毎年チームが必勝祈願に訪れる「常磐神社」です。どのような思いを抱いて水戸の支援を続けているのか、宮司の寺内義與(よしとも)さんにインタビューした模様をお伝えします。

【写真 佐藤拓也】

【写真 佐藤拓也】

「文武両道」の本来の「武」を感じる戦いを

常磐神社の御祭神は、高譲味道根命(たかゆずるうましみちねのみこと)=水戸黄門でおなじみの徳川光圀公、押健男国之御楯命(おしたけおくにのみたてのみこと)=弘道館や偕楽園を開いた徳川斉昭公です。
地元の神社として地元のプロチームを応援するのは当たり前のことですし、ましてや常磐神社の神紋である葵の紋、葵の英語名をチーム名に掲げていることに親近感を覚えます。

光圀公や斉昭公、水戸藩主のお殿様は皆、「文武両道」のバランスの取れたお方です。
今は「武」が勝負の部分と解釈されていますが、本来は「文武」の「文」が学問、芸術、スポーツ、「武」は戦のことを意味します。
戦とは、生きるか死ぬか。常に命懸けです。そして必死になり、追い詰められる。その時に神様の御加護を感じられるのです。
水戸はなかなか勝ちに恵まれませんね。いい試合をするけれども、もう一息という試合が多いです。
プロ選手というのは、自身の生活、人生を賭けて戦うものです。表面的なカッコ良さだけではなく、結果が求められます。もっと勝敗にこだわって欲しい。それを観ることで、サポーターは歓喜するのだと思います。
水戸の選手には本来の「武」を感じて戦っていただきたい。そう思いながら、毎年ご祈願をさせていただいております。

外国人選手、本間選手の活躍に期待

昨年はギリギリの戦いでハラハラしましたね。無事、残留できてホッとしています。
今年はロメロ・フランク選手が水戸に帰って来ましたし、ベトナムのメッシと呼ばれているグエン・コン・フォン選手がやって来ますね。まさかベトナムのスターが水戸に来るなんて驚きました。日本で言ったら、本田圭佑選手、香川真司選手、遠藤保仁選手のような人が来る訳ですから。
水戸は昔から選手を育てるチームですよね。そしてみんな飛躍していく。どんな活躍をしてくれるかワクワクしますね。
本間幸司選手はご家族でお参りに来てくれたりしますね。あの年齢で第一線にいることがすごいことです。普通ならば、御意見番、指導者の立場ですよ。体も丈夫だし、スポーツ選手にとって一番必要なものを兼ね備えている。個人的には、彼は可愛くてしょうがないです!

斉昭公が説いた「一張一弛」の精神を実践

必勝祈願での祝詞は、「試合ごとに練習した技術を発揮できるように、平常心を持って戦いなさい」ということ、「一張一弛(いっちょういっし)」について奏上しています。
「一張一弛」は斉昭公が弘道館を建てた時の言葉の中にあり、この精神は、「水戸学」にも通じています。
これは弓のことを例えているもので、弓は張りっぱなしだと、いざ使う時に緩んでいて使えない。つまり試合の時は「一張」、張り詰める。普段は「一弛」、緩めながら練習をしたり、体をケアしたりする。精神的に余裕を持つということが大事なのです。
神様は祝詞を聞いていらっしゃいます。「水戸ホーリーホックは神様の言葉である『一張一弛』を実践致します。何卒お護り下さい」という思いは届いています。あとはチームが人事をつくして、天命を待つのみです。

スポーツというものは、観客を喜ばせる、子ども達に夢を与えるもの。まずは選手達には体を大事にしていただきたい。強い体には当然強い精神が身に付きます。健全な精神は健全な肉体に宿る。光圀公、斉昭公が実践した「文武両道」へと繋がるはずです。
地元の盟主を祀る神社として、水戸ホーリーホックが無事にシーズンを過ごせるよう、陰ながら支えたいと思っております。

【写真 米村優子】

【写真 米村優子】

常磐神社
明治の初年、義公(第2代藩主徳川光圀公)・烈公(第9代藩主徳川斉昭公)の徳をしたう多くの人達によって偕楽園内に祠堂(しどう)が創立。明治6年(1873)に、明治天皇の勅旨をもって「常磐神社」の御社号を賜り、同年、県社に列格。明治7年(1874)現在地に社殿を造営し、5月12日遷座祭が行われた。同年、義公には「高譲味道根命」、烈公には「押健男国之御楯命」の御神号が宣下。明治15年(1882)別格官幣社に列格。昭和20年(1945)戦災によって社殿以下ほとんどすべての建造物が焼失したが、昭和33年(1958)全国の崇敬者からの浄財によって現在の社殿が完成した。

水戸市常磐町1-3-1
029-221-0748
http://komonsan.jp/

(米村優子)

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