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カード失効……J1第18節・京都戦(A) マッチレビュー

 

▼2023明治安田生命J1リーグ 第18節

6月24日(土) 19:03キックオフ/サンガスタジアム by KYOCERA(8,784人)

京都サンガF.C. 2-1 横浜FC

【得点】
74′ 横浜FC/伊藤翔
84′ 京都/麻田将吾
87′ 京都/パトリック

 

前半アディショナルタイムに入ってすぐのことだった。

最終ライン付近でユーリ・ララと井上潮音、岩武克弥のパス交換が乱れ、京都の福岡慎平がカットしたボールを山﨑凌吾と岩武が追う。山﨑の足に当たったように見えたボールは、右コーナーフラッグ付近でタッチラインを割った。京都がスローインを始めようとしたところへ、ちょうどその付近でアップをしていた横浜FCのベンチメンバーが駆け寄って猛抗議。その際、アシスタントレフリーに身体的接触があったとして三田啓貴が退場処分を受けてしまったのである。

審判団の主張するように三田が頭を叩いたとは信じられないが、VARの退場確認も入ったこの騒ぎで、プレーは約5分間中断。場内がざわついたのは中断明けのプレーが横浜FCのスローインから始まったことで、“そもそも最初から横浜FCボールだと主審がはっきり示していれば退場もなかったのでは?”という釈然としない気持ちが残った。

昨季のJ2リーグ後半戦に突入すぐの第23節・新潟戦を思い出していた。前半に先制点を挙げたものの、レフリーの(横浜FCから見れば)理不尽な判定が続き、内容的にも新潟に押される展開だった。しかし後半、最も判定で不利益を被った渡邉千真がカウンターから胸のすくようなゴールを決めて新潟を突き放した。

またああいう展開になればいいのに……。しかし三田の退場は、このゲーム終盤の戦い方に暗い影を落とすことになった。

 

【選手交代】(横浜FCのみ)
63′ 慶治朗→坂本
73′ 山下→伊藤翔、マルセロ→サウロ
82′ 山根→拓海、潮音→西山

 

 

▼あまりに劣勢だった前半

試合前のアップで、ビブスを着た先発組が先に引き上げたあと、井上潮音が一人だけ残って感触を確かめるようにCKを蹴っていた。その傍を中村拓海がフリーダムにドリブルでフラフラしていたのも非常に“らしさ”を感じさせたが、潮音にはこの試合、セットプレーが鍵を握るという予感があったのかもしれない。

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