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【コラム】データで考える……2023シーズンJ1前半戦振り返り・概要編

 

2023年のJ1リーグの前半戦が終わりました。

17試合を終えて横浜FCは3勝4分10敗。獲得した勝点は13となっています。振り返れば開幕から10試合勝てず(3分7敗)、失点は27を数えました。失点を抑えるため3バックに変更した第11節・新潟戦で初勝利を挙げ、7試合を3勝1分3敗。完全に定位置となっていた最下位を脱出し、16位で折り返すことができました。

このコラムでは、データから今季前半戦を検証してみたいと思います。開幕から第10節までと、第11節以降では、どんな違いが出てくるでしょうか? せっかく集めたデータですので、皆さんに見ていただいて、いろいろ考察していただくヒントになれば幸いです。

 

▼スタイル転換でV字回復

まずは大枠のサッカースタイルを物語る数字を見ていきましょう。

今季の横浜FCはプレシーズンから、攻守にバランスの良い4バック(4-2-3-1)を採用し、攻撃では後ろからしっかりボールをつないでビルドアップし、守備では前線からアグレッシブにプレスをかけていくサッカーを志向していました。

しかし第2節・湘南戦でガブリエウが負傷離脱したこともあり、失点は増える一方。かといってそれ以上に得点も取れず、大敗が続きました。そのため第11節から、失点を抑えるために3バック(守備時は5バック)に変更し、守りを固めてカウンターというまったく違うスタイルのサッカーになりました。

その流れを踏まえて、まずは「勝点」「得点」「失点」を、「開幕から第10節まで」と「第11〜17節」、さらにリーグ平均と比べてみましょう。

 

第10節まで 第11〜17節 リーグ平均
勝点 3 10
1試合平均勝点 0.3 1.4 1.4
得点 8 5
1試合平均得点 0.8 0.7 1.3
失点 27 8
1試合平均失点 2.7 1.1 1.3

 

失点の改善はもう見ての通りで、何も言うことはございません。1試合平均失点1.1はリーグ平均を下回ります。また第11〜17節の1試合平均勝点は1.4で、これはリーグ平均と同じであり、仮にシーズン頭から17試合でこの数字を出せていたら勝点24で9位か10位にいるということになります。

一方で得点は減りましたが、もともと少ないので微減です。ただでさえ潤沢とは言えないリソースを守備に集中させて立て直しを図った以上、得点が減るのは仕方がない。むしろ、それなりに攻撃に力を割いて戦っていながら第10節までの得点数が少なすぎたと言えます。

後半戦の課題は一目瞭然に、この守備の安定を維持しながらいかに得点を増やしていくか、ということになるでしょう。

 

▼走るカウンタースタイル

さらに、「ボール支配率」、「走行距離」、「スプリント数」を見てみましょう。

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