HAMABLUE PRESS

ハイネル、中村拓海、和田拓也、田部井涼……新加入選手の現在地・その1

本来であれば今日2/15は練習取材を行い、開幕戦へ向けて選手たちのコメントを紹介する予定でした。しかしクラブからリリースがあった通り、選手一名が新型コロナウィルス陽性判定を受けたことに伴い、練習公開も当面は見合わせということになりました。

さて困りました。そこでこの機会に新加入選手12人の、チーム立ち上げから開幕1週間前までを見た印象を、背番号順に4人ずつ3回に分けてお送りすることにします。本当は一人ずつコラムを書きたいのですが、「開幕前はフォーメーションや誰がどのポジションをやっているか分からないように」というクラブからの要望があり、その縛りだと長いものは書けないので……。

まあとりあえず、「ふんふん、新加入のあいつはこんな感じか」と軽く読んでいただければ幸い。あと最後の『開幕戦期待度』はあくまで『個人的な期待』であって『客観的な出場の可能性』ではございません。今週の練習も見れないことですし、そこはくれぐれも誤解なきようお願いします。

 

■2 MF ハイネル

広島から完全移籍。隔離期間もあって合流が遅れ、日南キャンプ途中からの合流となった。横浜に戻ってからのトレーニングマッチはすべて非公開となったため、実戦でのプレーは見れていない。練習でのプレーは日ごとにキレを増して、アジリティの高さやボール奪取力で目を引く場面も。ほかの選手の特徴を理解し、また自身の特徴も理解してもらえれば、パスや攻撃的な面でも力を発揮してくるはず。あとは中盤で起用されるにしろ、サイドで起用されるにしろ、戦術理解を急ピッチで追いつかなければ……というところか。

キャラはいかにも陽気なブラジリアンで、同い年のクレーべに比べれば身長のぶんもあって少し子供っぽくは見える。歳下ばかりだったところへ同い年の同胞が増えて、クレーべも楽しそうだ。ホットライン開設に期待したい。練習開始前にはブラジリアンを中心に六反らが加わってリフティング勝負をやり、よくボールを落として罰ゲームを食らっている姿を目にする。

開幕戦期待度……☆☆☆

 

■3 DF 中村 拓海

FC東京から完全移籍。エルゴラッソ前横浜FC担当で現FC東京担当の須賀大輔記者いわく「ビルドアップ力がありキック精度の高い、現代的なサイドバック」。キャンプのトレーニングマッチではビルドアップ時から高い位置を取りボールを受けて前線に配球し、タイミング良く攻め上がった。1/23のFKコバルト戦では相手のハイプレスに対してGKのフィードから始まった擬似カウンターの場面で、長い距離を駆け上がって長谷川竜也のゴールをアシスト。身体は細いが、走力もかなりありそうだ。

イケメンでしゃべり方がふわふわしている。取材したことはないが羽生結弦が20歳くらいだったころはこんな感じだろうか。歳上からかわいがられるタイプ。練習後に居残りのバー当て勝負に勝って、竹中達郎コーチからミルクココアをせしめてニコニコしながら「ココア、好きなんです」と嬉しそうな様子はおっさんの僕から見てもかわいかったので、女性ファンならキュン死確実。身体の細さとこの雰囲気から、相手のガチムチFWと競り合う場面を想像すると頼りなくも感じるが、「(守備強度は)自分の課題の部分なので、そこは楽しみです」とニコニコしながら言う辺りは相当図太いのかもしれず、まあ何だかんだでソツなくやってくれそうな気もする。

開幕戦期待度……☆☆☆☆

 

 

■6 MF 和田 拓也

マリノスから完全移籍。ヴェルディの下部組織出身で、ヴェルディ〜仙台〜大宮〜広島〜マリノスと渡り歩いた。本職はボランチだが、大宮以降は各チームでサイドバックとして重宝されてきたイメージが強い。筆者は大宮時代前半を知っているが、当時はボランチへの強いこだわりを語っていた記憶がある。中盤から後ろの選手の中で経験と実績は高橋秀人に次ぐものがあり、四方田修平監督の起用に注目。大宮時代前半はボールをガツガツ追い回す猟犬タイプとして知られ、セレッソとの練習試合では中盤で乾貴士を吹っ飛ばしてボールを奪い、同点ゴールの起点になった。ただし派手だったのはその場面くらいで、基本的にはバランス重視の落ち着いたプレーが身上だ。

脱力系の癒しキャラ。コメント取材も基本はのれんに腕押しで、「サポーターに何かアピールしたいことは?」と聞いたら「特にないっす(笑)。アピールとか苦手なんで……、そもそもアピールしたいと思ってないことが良くないですね(笑)」と、のほほんと笑っていた。元湘南の石原直樹に顔がそっくりというのが鉄板ネタ。二人とも仙台、大宮、広島に所属経験があるが被ったことはない。その石原直樹が大宮の練習に参加しているという情報があり、たぶん間に合わないが開幕戦での2ショットを期待しているマニアは少なくない。

開幕戦期待度……☆☆☆☆

参考:石原直樹と和田拓也

 

 

■14 MF 田部井 涼

法政大から新卒加入。前橋育英高で全国制覇したとき同校のエースナンバーである14番を背負っていた。法政大でも夏に日本一を経験。双子の兄の悠は早稲田大から群馬に加入している。

大学ナンバーワン・ボランチの呼び声も高く、「ボールを簡単に下げない、前への推進力が武器」と語る。大学サッカーでの負傷で和歌山一次キャンプは出遅れたが、完全合流した日南二次キャンプから存在感を発揮。さまざまなポジションで試され、セレッソとのトレーニングマッチではコンパクトな振りから大きなサイドチェンジを何度か披露して展開力を印象付けた。またリバック・プロジェクト戦では完璧なタッチのスルーパスで得点の起点にもなった。

法政大の一年先輩の高木友也が「あいつマジメで面白くないですよ」と太鼓判を押すくらい、話が実にマジメ。軽い話題を振っても最終的には「自分はサッカー選手として〜」みたいな話に持っていく。それが天然というより、分かってやっていそうなのが頼もしい。法政大ではキャプテンも務めている。マジメなだけに人見知りもあるようだが、高木先輩のおかげで仲良しを増やし、彼らのプレーの特徴も蓄積している。開幕スタメンに入ったら、多少は驚くけど大きな驚きではない。

開幕戦期待度……☆☆☆

 

次回に続く……

(写真と文/芥川和久)

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ