「“無失点の美学”のようなものがある。サポーターも点の取り合いはあんまり好きじゃないような気がします。サポーターはF・マリノスをよく知っている」(鈴木) [GK座談会vol.3]
【F・マリノスGK座談会vol.3】
実施日:11月9日(木)
インタビュアー・写真:藤井 雅彦
協力:横浜F・マリノス広報室
3回に分けて掲載してきた高知キャンプGK座談会も、いよいよ今回で幕を閉じる。
最終回は、まず4選手を指導する立場の松永成立GKコーチについて語ってもらい、さらにそれぞれが思い描くF・マリノスGKの理想像を掘り下げていく。
終始笑いの絶えなかった座談会の最後は、真剣な表情と言葉でエンドロールを迎えた。
→前回からつづき
――4人から見て松永成立GKコーチはどんな人ですか?
鈴木「いろいろな経験をしてきたからこそ、言葉に重みがあります。口ごたえは絶対にできません」
杉本「シゲさん(松永成立GKコーチ)は日本サッカー界のレジェンドの一人。僕はこんなにピリピリした雰囲気でトレーニングしたのは初めてです。常に緊張感があります」
鈴木「空気もそうだけど、自分のプレーに対する緊張感を持つよね」
杉本「そうなんですよ。考えてプレーする練習が多いので、頭も疲れます」
――率直に聞きます。怖いですか?
鈴木「オレはあまり感じないかなぁ」
杉本「僕は喝を入れられることもあるので…」
飯倉「それはプレーよりもキャラの問題だろ(笑)」
杉本「天皇杯2回戦(対FC大阪戦)のハーフタイムに喝を入れられて、本当に鳥肌が立ちました。その時は相手チームのカテゴリーが下だったこともあって、チームとしても個人としても少し緊張感が欠けていた気がします。前半が終わってロッカールームで着替えていたら、シゲさんに『こういう機会を大事にしろ。試合は試合だぞ』と厳しい口調で言われたのを覚えています。でも結局、試合終了間際に失点してしまって、試合後は怖くてシゲさんを見られませんでした」
飯倉「岳はあんまり怖いと思っていないだろ?」
原田「普段は優しいコーチですけど、カミナリが落ちた時を想像するとゾッとします。今年プロになって何度か怒られているので」
――気難しい職人肌という印象も受けます。
飯「どの世界でも、職人は感情の起伏を表に出すことが多いと思う。シゲさんもそれに近いやり方。でも、昔に比べればだいぶ優しくなった」
杉&原「そうなんですか!?」
鈴「大樹くんはそれをよく言っていますよね」
飯「昔だったらあんな柔和な雰囲気は考えられない。最近のシゲさんは大地や岳を使って明るい雰囲気を作ろうとしている。だから今はウォーミングアップの時から笑顔があるよね。これはシゲさんなりのアレンジだと思う」
杉「昔の雰囲気を想像すると汗が出てきそう(笑)」
飯「オレも若い時はたくさん怒られた。でも、その時はなかなか意味が分からない。試合に出て、経験を積んで、あとは年齢を重ねることで、最近になってシゲさんの言っていたことがようやく分かってきた」
鈴「キャリアと年齢を重ねたからこそ理解できることはありますよね」
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