「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「(小林の契約満了について)苦渋の決断だった」・「(齋藤の去就について)育成から上がってきた大事な宝。でも海外で力を試したい気持ちもあるだろう」(利重本部長)他 [浦和戦後コメント]

 

【試合を終えて】

エリク・モンバエルツ 監督

「後半にスペースが生まれてくると予想していて、スピードあるプレーヤーを入れるゲームプランがうまくいった。(齋藤)学が最初のチャンスをつかんで、そのあとのビッグチャンスで同点に追いついた。今シーズンの締めくくりとして、勝ち点1を取って引き分けで終わったのは悪くない。2ndステージは2試合しか負けていない。それも0-1(FC東京戦)と2-3(川崎F戦)だった。自分たちのプレースタイルをある程度発揮し、証明できた。特に若手がたくさん経験を積めた。自分たちの平均年齢が約25歳で、クラブの将来に希望が持てる」

――後半に展開が変わるではなく、監督が変えたという意味で狙い通りに進んだのでは?

「後半はJリーグのほかのゲームでもオープンな展開になることが多い。自分たちとしては、その状況でスピードある選手を投入して突いていくと。そして我々は伊藤を入れて、よりパワーのある選手を使った。マルティノスの投入は予定していたことで、彼のスピードを使いたかった。我々はフィジカル的に良い状態なので、残り15分は対戦相手が難しくなる。最後の15分で違いを生み出せる自信があった」

――今季全体についてはどのように総括する?

「連動したプレーが昨年以上に出せるようになった。特に2ndステージはフィジカル的にも向上した。よりスピードを持ってプレーできるようになった。もちろんその他の面で向上する必要もある。特にフィニッシュ部分だ。ただ、昨年よりも得点数は増えている。良い方向に進んでいる。そして多くの若手が試合に出ている。若手を伸ばすこともプロジェクトの一つだ」

――契約満了となった小林について、2年間の評価は?

「小林は今シーズンほぼ全試合に出場し、コンスタントにプレーした。特に守備面で安定してプレーした。そしてメンタル的にも強さを発揮してくれた。なぜならば、今日の彼はいろいろな感情を抱えていたから。昨日のトレーニングのときもそうだったと思う。だから今日の彼のパフォーマンスにはとても驚かされた。私は昨日から彼の様子を見ていたので。でも私は彼と良い関係性を築けていたと思う。そして彼はまだ若いと言えるので、今後もキャリアを築いていくと思う。彼の幸運を祈りたい」

 

利重 孝夫 チーム統括本部長

「年間10位ということで満足できる結果ではない。ただ、主力にけが人が多かったことや、環境が変わった中で、簡単なシーズンではなかった。来季以降につながる芽もあった。そういったことを考えるとまずまずの結果。ただ、もちろん満足はしていない」

――タイトルに足りなかった点は?

「日本人FWの(伊藤)翔、(富樫)敬真は悪くなかった。(齋藤)学は10点取ったが、得点王争いには遠く及んでいない。得点王争いで上位を狙える選手は必要。一番のプライオリティを持って語いている。日本人も外国籍選手の可能性もある」

――小林が契約満了となった経緯について

「今年もほとんどの試合に出ている。守備力はJリーグを代表するものがある。その中でクラブとしては苦渋の決断だった」

――来季の監督人事について

 

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「今年は今後ブレイクしそうな若い芽が出てきた。そのきっかけをつかんだ選手がいる。それができたということは一つ評価してもいいのかなと」

――齋藤の去就について。海外移籍の可能性もあると思うが。

「主力というか、それ以上の選手。しかも育成組織から上がってきた大事な宝。でも海外で力を試したい気持ちもあるだろうし、日本代表でも頑張ってほしい選手。そういう気持ちがあるならばサポートしたい」

 

MF 11 齋藤 学

「前半はうまくいかなかったけど、0-0で折り返せばチャンスがあると思っていた。後半、最初に僕のところでチャンスがあったので、そこを決め切れる選手になりたい。自分たちが負けて優勝を決められるよりは良かったけど、年間で一番勝ち点を積み上げたのはレッズ。今日も戦っていて強いと感じた。そのチームと対戦して、0-1の状況から追いつけたことはポジティブに捉えたい。若手もたくさん試合に出ているし、こういった経験が来年以降につながると思う」

 

MF 7 兵藤 慎剛

「スタートは[4-5-1]のような形だったけど、少ししてから自分たちの判断で守り方を変えた。基本はアマジュン(天野)が前に行く形で自分と喜田がダブルボランチだけど、状況次第で自分とアマジュンが入れ替わる場面もあった。後半、(伊藤)翔が入って自分がトップ下と言われたけど、自分がボランチでアマジュンが前のほうがバランスは良いと思ったので、そうなった。少しずつ相手が疲れてきて運動量が落ちてくると思ったけど、さすがJ1の上にいるチームは意思統一されたサッカーだった。ウチは年間10位ではダメ」

 

GK 1 榎本 哲也

「前半はあまりうまくいかなかった。後半も良かったわけではないけど、いつも後半からエンジンがかかっていくので前半0-0は悪くない展開だった。引き分けたけど相手はやっぱりうまかった。グラウンド状態も悪かったし、そこに苦労した選手もいたと思う。自分たちは早いタイミングで優勝争いから脱落してしまった。結果にまったく満足していない中で、2ndステージは2敗しかしていないことをポジティブに持って行くしかない。最後のところでチーム力が足りなかった」

 

DF 13 小林 祐三

「順位表の2枚目になったのは、自分がマリノスに来てから最低の成績。相手は2~3年前までほとんど変わらないチームだし、選手もさほど変わっていない。積み上げの差でこれだけの差になってしまった。

(契約満了について)試合前のタイミングで言って良かったと思うし、チームの足を引っ張ることなくプレーできてよかった。正直、自分のためにプレーしてほしいとは思っていなかったし、もし負けても失うものはなかった。勝ったら余計にハッピーかなくらい。でも、そこまでの運は自分になかった(苦笑)。

(ゴール裏のサポーターの前に行ったことについて)それは自分からではなく、コールリーダーが呼んでくれたから。自分があそこに立って、あの傾斜にあれだけの人がいて、自分の背番号がたくさん見えた。あの光景は忘れないと思うし、忘れたくない。

(J1通算300試合出場について)それは忘れていた。目の前の試合にどう向かうかしか考えていなくて、出て行き方も見てほしかった。いろいろな人が泣いてくれて、怒ってくれた。それは自分がやってきたことが間違いではなかった証拠だと思う。300試合はゴールでもないし、通過点にしたい。でもサッカー以外にDJなんかのオファーがあればそれも悪くない。通過点は『人間として』ということで(笑)。

(6年間の在籍で一番の思い出は)天皇杯優勝と言いたいところだけどマリノスナイト(笑)。あと、いまよりも2013年の最終節で優勝を逃したときのほうがショックは大きい」

 

 

 

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