「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「アクシデントがあったときに一丸となれるチームが優勝できる」(六反)・「これを耐えられたのは大きい」(俊輔)+中町・中澤・冨澤他 -2,706文字-

【players voice】
GK 30 六反 勇治

――突然の出場となったが

「プロになって初めてこういう状況で出場した。出場するのは嬉しいことではあるし、そのために練習しているので、混乱することなくピッチに立てたと思う」

――途中出場の経験は?

「途中から出たのはプロになって初めてのこと。テツくん(榎本)が大丈夫そうだったので、ほとんどアップしていなかった」

――どんな心境で臨んだ?

「仙台の特徴として、ロングボールやクロスのあとの反応が速い。それをフィールドの選手に伝えながらプレーした。長いシーズン、こういったアクシデントも起きる。そうなったときに一丸となれるチームが優勝できると思う。」

――無失点に抑えた。

「後半は押していたので得点できなかった悔しさのほうが大きい。負けゲームではなかった。負ける可能性もあったけど、勝てる可能性のほうが大きかった。勝ち点1と勝ち点3では大きく違うので、今日は勝ち点3がほしかった」

――ナイスセーブもあった

「セーブしたシュートはたぶん枠外だったけど、流して入ってしまうよりはいいと思って止めに行った。GKはいま二人しかいないので今後はちょっと心配。ナビスコカップはどうなるかわからないけど、自分が出たら精一杯頑張るし、テツくんが出る場合はしっかりサポートしたい」

 

【試合を終えて】
樋口 靖洋 監督

「日産スタジアムでのリーグ戦は2戦連続引き分けと勝ち切れない結果に終わって残念。勝つチャンスはあったし、ピンチもあった。そういう難しいゲームだったと思う。中2日の3連戦目で選手たちにかなりの疲労感がある中でも、相手に勝るとも劣らないハードワークをしてくれた。そこは本当にポジティブに考えている。中断期間まであと2試合あるが、しっかりとコンディションを戻して、コンディションを見極めて、なんとしても勝ってナビスコの決勝トーナメントに進みたい。そして鳥栖戦にも勝って中断期間を迎えるため、そういう準備をしたい」

DF 4 栗原 勇蔵

「前半は風下の影響もちょっとあって、やりにくい部分もあった。終始落ち着かないゲームだった。お互い決定機があって、それが入るか入らないかのゲーム。ホームだから勝ちたかったけど、最低限の無失点で終われた。ただこういう試合を勝たないと上にはいけない。失点が多いとよく言われるけど、選手としては勝つことが一番。これまで失点が少なかったから多いと言われるだけで、そんなに多いというわけではない。もちろん無失点のほうが気持ちいいけど、勝つことのほうが大事」

MF 8 中町 公祐

「こっちが理想とする展開にさせてくれなかった。仙台の監督や選手はやっぱり理想主義でやってくると感じた。序盤はウチの裏にボールを蹴られてしまったので、セカンドボールを拾っても二次攻撃や三次攻撃につなげるという展開にならなかった。終盤はようやく相手の裏を突くことでウチが押し込む展開になったけど、前半はヤキモキしたところがある。前半は連戦で体が重かったのもあるし、相手の出足が鋭かったのもある。ウチがリズムを取り戻すチャンスもなかった。そういう展開で冷静になって我慢しようという感じになっていた」

MF 11 齋藤 学

「後半のようないい形を前半から作れればよかった。でも前半は守備から入る部分があって、田村さんを押し込むことができなかった。中に絞るか外で張るか悩んだ部分もあった。セカンドボールを拾う場面や守備をするには中に入ったほうがいいけど、外に開くことで相手を引きつけられる。後半はそういった駆け引きがうまくできた。サイドでボールを受けて仕掛けてからシュートを打ったのは1本だけど、そこで相手をはがすことでチームとしてチャンスになった場面もある。90分の中で相手を上回ればいいと思ってプレーしていた」

DF 22 中澤 佑二

「中2日の試合で前半立ち上がりはみんな体が重そうだった。相手が肉弾戦を仕掛けてきたのでペースを握れなかった。そんな展開で、てっちゃん(榎本)が頑張って止めてくれたのもあって、なんとか失点ゼロで終われた。相手がドゥトラと自分の間を狙ってくるのはどのチームも同じ。仙台もそこにロングボールを蹴って、FWがウワーっと走ってくるので、セカンドボールをどう処理するかが問題だった。仙台は前からの守備が上手。今日は無理矢理つなごうとしても難しかった。でも守備への意識はみんな高くてよかった。勝ちにいきたい気持ちがある中で中盤の選手やマルキも守備を頑張ってくれた。耐えるときは耐えないといけない」

DF 13 小林 祐三

「コンディションには明らかな差があった。ピンチはあったけど全員で耐えられたし、チャンスを作ることもできた。どちらかというと耐えられた印象のほうが強い。惜しいクロスもあったけど、アシストの数ほどアテにならないものはない。これからもチャンスを何度作れるかにこだわっていきたい。確率の問題だと思うし、チャンスのシチュエーションを作ることが自分の仕事。そのあとは関係ないというのもおかしいけど、どうしても仲間に任せる部分はある。だからシュートが入らなくても、そこに至る部分で貢献していくことが大事になる」

MF 27 富澤 清太郎

「相手はロングボールが多かった。それをはね返しても、どうしても相手のほうが拾いやすい状況になる。相手のFWも競るいうよりも、どうにか近くにボールをこぼそうという感じだった。ただ、時間が経過すれば慣れてくると思っていたのでそんなにダメージはなかった。今日は無失点で終われたことよりも勝ちたい気持ちのほうが強い。相手も勝つために体を張っていたけど、質の高さで勝ちたかった。仙台はブロックを作ってきたけど、ブロックから出てきて奪いに来るような守備ではなかった。もう少しボールを握ってもよかったかなと。ボールを持たされているという感覚でもいいからボールを動かすことも必要だった」

MF 25 中村 俊輔

「みんなよくやっていると思う。これを耐えられたのは大きい。連動していないときもクリアなのかボールをつなぐのかの判断はしっかりしてきた。今日はボールを取ったあとにヒョウ(兵藤)もマチ(中町)も体が重そうだった。そうなるとフリーランニングが少なくなるのでボールが回らない。でも連戦だからしょうがない部分もある。相手は万全の状態で出足も良かったので前半0-0というプランはネガティブになる必要はない。セットプレーをお互い決められなかったのはそれぞれ研究していたから。ウチのほうがちょっとチャンスだったけど。シュートは入ったと思った。でも風で(枠内から)出てきた」

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