「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

1-0で勝つのがベスト [ルヴァンカップ準々決勝第2戦 大宮戦プレビュー]

 

第1戦を1-2で敗戦して迎える第2戦である。終盤に稚拙なミスから2点目を許したのは余計だったが、ひとまずアウェイゴールを持ち帰ることができた。それを利用した場合、完封勝利すれば無条件で準決勝に進出できる。つまり複数得点よりも無失点がほしい。小林祐三の「1-0で勝つのがベストだと思っている」という言葉に強く賛同したい。

 その試合に臨むメンバーだが、第1戦から選手と配置にいくつか変更点がある。まず試合で負傷したファビオは左内転筋肉離れの可能性が高く、第2戦の欠場を余儀なくされた。代わりに中澤佑二とコンビを組むのは第1戦で途中出場した栗原勇蔵だ。昨季に続いてモチベーションを保つのが難しいシーズンを過ごしているが、1stステージ終盤同様に存在感を示したい。

また、ボランチの喜田拓也は第1戦の途中から左足首に違和感を訴え、昨日まで別メニュー調整だった。今日は全体練習に合流して紅白戦の1本目に出場したが、負傷箇所の状態が芳しくない。どうやら出場を見送ることが決定した模様で、このポジションにはパク・ジョンスを起用する。紅白戦2本目とセットプレー練習はパクが兵藤慎剛とペアで中盤の底を務めた。展開力に優れ、本番に強いパクのプレーに期待したい。

そして第1戦で不発に終わった齋藤学のセンターライン起用だが、この第2戦では左サイドにポジションを戻すようだ。齋藤自身のパフォーマンスに問題があったというよりは、全体のバランスを考えての采配である。エリク・モンバエルツ監督は「学を左から中央に動かすと、左サイドのオートマティズムを欠いてしまう部分はある」と冷静に分析していた。これまで左サイドで攻撃の起点となり、さらに仕上げの部分でも重要な役割を担っていた選手だ。特に起点となる動きは、いまのチームでは齋藤しかできない。

 

 

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齋藤本人はというと、中央でのプレーに意欲的な姿勢を見せている。しかしチームの勝利を考えた場合、いまの編成においては左サイドのほうがいいと解釈していた。相手チームの前線からのプレッシャーが弱ければ問題ないが、第1戦のようなスタンスで臨まれるとマリノスは苦しい。齋藤にボールが入らず、何もできなくなってしまう。落ち着きどころがなくなり、齋藤を中央で起用する意味が消える。それでは宝の持ち腐れだ。

第1戦で最も想定外だったのは、大宮があれほどまでに激しいプレッシャーをかけてきた点である。直近のリーグ戦から大幅にメンバーを変えた効果かもしれないが、第2戦ではどういった入り方をしてくるか注視したい。重心を下げたサッカーをしてくるならばマリノスとしてはやりやすいが、おそらくそうならないだろう。しっかりとビルドアップできるか否かが、試合のすう勢を大きく左右する。

負ければ終わり、引き分けても終わり、勝利以外に勝ち上がる方法はない。それも多少の条件付きの勝利が必要だが、無理難題ではないだろう。前半を0-0で折り返し、後半に得点して勝つのが理想。タイトルへの道を歩み続けるために、三ツ沢でリベンジを狙う。

 

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