失点場面に垣間見える方向性の揺らぎ。 個人のミスだけが原因の敗戦ではない [J10節 福岡戦レビュー]
選手間でイメージが共有された先制点
11分に先制したところまでは良かった。自陣でボールを持ったトーマス・デンが右サイドのタッチライン際で高い位置を取った宮市亮へ。宮市は少し持ち運んでから迷うことなくクロスを選択する。走り込んだアンデルソン・ロペスはボールに触れなかったが、相手DFも満足できるクリアをできない。
こぼれ球にいち早く反応したのは逆サイドからゴール前に詰めようとする遠野大弥だった。「試合が始まる前にミヤくん(宮市亮)からどんどんクロスを上げていくという声をもらっていたので、それを意識して中に入っていけた」と明かしたように、選手間で共有されたワンプレーだ。
コースを射抜いた右足のシュートも素晴らしかったが、ここはファーストタッチがすべて。「(相手に当たって)コースは変わったけどファーストタッチで自分が置きたい場所にボールを置くことができたので決められた」と遠野。アウェイの地で価値ある先制点をゲットした。
しかし二の矢を刺せない。天野純やロペスに追加点を決めるチャンスがあったとはいえ、決定的なシーンとは言い難い。少ないチャンスを決め切らなければいけない難しさは前々節から変わっていない。一方で、前節の川崎フロンターレ戦は相手の守備の緩さに乗じて効果的に押し込めたことが明らかに。
せめて1-0で前半を折り返さなければいけない状況で、スローインから同点ゴールを許してしまう。スローワーを務めた永戸勝也が「ロペスのところで挟まれた前で相手に触れれてしまったので、もうちょっと奥に投げればよかったかなという反省はある」といった技術面の問題はたしかにある。当事者としては悔やまれるワンプレーだろう。
ただチームとして、奪われたあとの切り替えがエラーと言えるほど遅かったとは思わない。それは映像で確認しても、同じ感想だ。
朴一圭が苦しむチーム状態について言及した。
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