「自分がねじ伏せないといけない」 突貫小僧の井上健太が新潟の夜に叫んだ [J14節 新潟戦レビュー]
徐々に進化している背番号17
井上健太の心の叫びが新潟の夜に響き渡った。
「メンバーとして代わったのが自分たちで、ACL決勝でチームとしていい試合をしたのに、今日負けてしまったのが狂いそうなほど悔しい。そこは自分の責任。自分自身の力量不足の試合だった。みんなは大舞台で活躍しているのに、自分は何もできない。本当に自分にイライラする。自分にムカつく」
アルアインとのACL決勝1stレグから中3日、井上はアルビレックス新潟戦に左ウイングとして先発出場した。先週の浦和レッズ戦でも先発したが、当時は直近の試合からフィールドプレーヤーを総替えした中のひとり。でも昨日は違った。最前線には絶対的エースのアンデルソン・ロペスがいる。右ウイングは違いを作れるヤン・マテウス。中盤には主将の喜田拓也、渡辺皓太、そして新進気鋭の植中朝日がいた。
いわば主力組に混ざる形で、次のステップでのチャンスを得たわけだ。燃えないはずがないし、実際に立ち上がりからモチベーション高いプレーで攻撃をけん引した。加藤聖と縦関係を形成した左サイドで果敢に仕掛ける。スピードを生かしたドリブル突破は、相手が警戒して飛び込めない優位性を保っていた。
惜しいクロスを供給し、それができない場面でもCKを獲得する。攻撃のオプションとして機能していた。足りなかったのは目に見える結果だけ。シュートに持ち込めそうな場面で横パスを選択したのは、確率が高いプレーを選択したのか、あるいは決め切る自信が欠けていたのか。
井上の叫びには続きがある。
「でも試合は続く。またチャンスを与えられたときにこの悔しさをぶつけたい。相手は頑張るところやホームの雰囲気での勢いを感じたけど、そういう相手を自分がねじ伏せないといけない。交代する時に力を出し切ったと思うくらいやらないといけない」
試合をこなすごとに進化している背番号17。元来持っているアグレッシブさを取り戻し、ここへきて徐々にプレーの幅を広げている。エウベルや宮市亮とは異なる性質を持つ左ウイングとして、ここからさらに成長していけるか。
ミスよりも解せないモノ
今は井上のような突貫小僧の勢いが特に必要と感じる。
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