実質的に試合を決めたのは、宮市亮の公式戦2試合連続弾。吉尾海夏に結果が出たこともポジティブ [ルヴァン杯6節鳥栖戦レビュー]

2023年06月19日 6時01分　
カテゴリ：ルヴァンカップ • レビュー

数えきれない収穫とともに

大量得点による花火大会は、収穫に次ぐ収穫だった。

「メンタルを強く持って試合に臨み、マリノスのユニフォームを着た瞬間、このクラブを代表して戦う、この横浜を代表して戦う責任がある。選手たちはその部分をしっかり出したと思うし、いい結果で終われたと思う」（ケヴィン・マスカット監督）

エウベルと畠中槙之輔を負傷で欠き、ここまでリーグ戦全試合に先発しているアンデルソン・ロペスをあえて温存。西村拓真をトップで起用し、出場機会に飢えていた水沼宏太や上島拓巳がスタメン出場した。

西村の2得点は、彼本来の得点能力をいかんなく発揮したもの。落ち着いたPKゴールと、巧みなワンタッチゴール。昨季の輝きを取り戻しつつある背番号30の存在感は、リーグ後半戦に向けてこれ以上ない収穫だ。

実質的に試合を決めたのは、宮市亮の公式戦2試合連続弾だった。今度はあまりにも美しすぎる、時が止まるゴラッソを決めた。

「数ヵ月前は試合に絡めるともゴールを決められるとも思っていなかったし、与えられた役割を全うしてチームに貢献したい。ゴールは喜びの上。健康にサッカーができるだけでうれしい。サッカー選手として結果を求められるけど、日々を幸せに生きているという感じ」

インパクト大のゴールにも、謙虚な姿勢を一切崩さない。だからこそ我々は彼を応援し続けるのだろう。

吉尾海夏に結果が出たこともポジティブだ。こぼれ球に泥臭く反応した得点は、それはそれで彼らしい。ボランチや左サイドバックなど本望ではないポジション起用にも懸命に応え、そのすべてが未来につながる。

そして、西村同様に2ゴールの植中朝日という良い意味でのサプライズもあった。決定機を外しても下を向かず、貪欲にゴールを狙い続けた。だからこその目に見える成果だった。

「ゴールを取ることでしかアピールできない。結果を出せたのは良かった。でも同じポジションには素晴らしい選手がいる。これで何かが変わるかわからないけど、自分はやり続けるしかない」

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