「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

天野純には、まだまだ完成形が見えない。何ができて、何ができなくて、これから何をできるようになるのか。無限の可能性を残している [天野純 契約更新]

 

天野純は変わった。そう強く思う。

その理由はマリノス復帰後のプレー内容と言葉の端々に凝縮されている。

 

 

中断していたJリーグが再開して間もない湘南ベルマーレ戦で、痛快な2得点を挙げて逆転勝利に貢献した。いずれもドリブルで相手ゴールへ迫り、パスではなくシュートを選択した結果としてゴールネットが揺れた。

かつての天野ならば、間違いなくパスを選択しただろう。無意識に仲間を探し、パスを通すことが脳内を支配したのではないか。

実際のプレーは、まるで飢えている獣のようにゴールだけを見据えていた。

「(海外は)結果を残さなければ生き残っていけない世界。そして結果を出せば人生を変えることができることを知った」

海外挑戦で得た教訓を、さっそく自身のプレーに反映させたのである。

 

 

アウェイの北海道コンサドーレ札幌戦では、強引なミドルシュートをねじ込んだ。トラップの前段階から「シュートを打つと決めていた」。迫りくるDFの股間を抜き、GKの虚をつくタイミングで放ったシュートだ。

加えて、昨季はここぞという場面での勝負強さも際立った。一発勝負のルヴァンカップ準々決勝・札幌戦、あるいはACLの上海上港戦で泥臭い得点を記録。「もしかしたらこぼれ球が来るかもしれない」という予感や期待をリアルな形で表現した。

 

©Y.F.M

 

29歳という年齢はアスリートとしての最盛期で、おそらくはサッカー選手の大多数が完成形に近づきつつある。自身の強みや特徴を把握し、それを生かすことでチームの勝利する役割を担う。

しかし天野は違う。

 

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