1日も早い復帰を目指す仲川は、残り5試合に向けて「面白い。ワクワクする」と笑みをこぼした
練習グラウンドでのリハビリをスタートさせている仲川輝人は、力強く言葉を発した。
「鳥栖戦(での復帰)を目指しています」
視線は真っ直ぐ強く、九州方面へ向いていた。
19日の湘南ベルマーレ戦後半に右太もも裏を負傷。担架に乗ってピッチを後にする姿は痛々しく、試合後は多くを語らなかった。
「自分のタイミングではなく、相手のディフェンスに対して踏ん張って耐えようとした瞬間に痛めてしまった。感触としてはプレーを続行できないわけではなかったと思う。でもスコアに余裕があったし、周りに『座れ』と言われたので」
自身としては長期離脱になるような感覚ではなかったことを明かし、実際の検査結果も同様だった。軽傷ですんだのは不幸中の幸いで、すでにランニングなどのメニューをこなしている。経過は順調だ。
自身のコンディションはさておき、気になることがあった。湘南戦での試合の終わらせ方である。
「残り10分のグダグダ感が半端なくて、そこにイライラした。ああいう展開の試合こそ無失点で終わらないといけない。ハードワークしての失点ならまだしも、前線のプレスもラインの押し上げも中途半端で失点した。最後の最後に、あの1点が得失点差で運命を分けるかもしれない。だからもっと細かいところを突き詰めないと。勝ったからこそ悪いところを探したい」
自分がピッチに立っていれば、チームを引き締め直すことができたのではないか。そんな思いや責任も見え隠れする。
もちろん、チームメイトを信頼している。
「仮にオレが試合に出られなくても心配はしていない。むしろ仲間がやってくれるだろうと思っている。誰が出場したとしても、チームのために戦うことはみんな変わらない。だから自分は少しでも早く復帰して、チームのために戦いたいという気持ちしかない」
表情に悲壮感はない。むしろ、しびれるような残り5試合に向けて「面白い。ワクワクする」と笑みをこぼす。
ここまで全試合に先発している。最も重要な終盤戦を不在にするわけにはいかない。1日も早い復帰を目指す仲川は、去り際にこう言い残した。
「大丈夫ですよ、ウチのメディカルはすごいんで」
選手もスタッフも、みんなで力を合わせて総力戦だ。
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