「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

各ポジションで競争は激化しつつあり、今後も頻繁にメンバーを入れ替えながら練習を進めていく可能性が高い。あっと驚くような抜てきも[十日町キャンプレポート2日目]

 

 

十日町キャンプ2日目が終わった。

2日目はキャンプ初めて午前・午後の二部練習を実施し、特に午前がハードトレーニング内容となった。フォーメーション練習後に仕上げとして3対2の対人練習をみっちり行ったことで選手は疲労困ぱいに。対して午後はパス練習とビルドアップからのシュート練習といった負荷の低いメニューが組まれた。

 

 

ここまでのトレーニング内容を見るかぎり、前半戦の練習内容と大きく変わったメニューはない。もちろん2週間弱のオフ明けのためフィジカルコンディションを取り戻す狙いもあるだろうが、それにしても代わり映えのない練習である。ただ、これについてアンジェ・ポステコグルー監督はまでやってきたことを続けていく」と繰り返し、継続優先の方向性を何度も示している。

 

 

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人間は忘れやすい生き物で、わずか2週間弱のオフ期間でもチームのコンセプトを見失いがち。すでに体に染みついて自然と表現できる選手がいれば、その反対で戸惑いを隠し切れない選手もいる。ここまであまり試合に出場していない選手や若手にとっては記憶を呼び戻すための良い機会だろう。すでに身についている選手は自身のコンディションを上げる機会と捉えればいい。

小さな変化を挙げるとすれば、キャンプ初日と2日目午前の練習で和田昌士がレギュラー組のアンカーに入った点である。指揮官はキャンプ初日からレギュラー組とサブ組を明確に分けてトレーニングを行い、どちらにも入れない23番目以降の選手もいる。何気ない組み合わせにも間違いなく意味があり、キャンプ中盤以降の注目ポイントかもしれない。

 和田自身、とても貪欲に取り組んでいる。シーズンが始動してから、彼がレギュラー組に入ったことはおそらく一度もない。それだけでも「気が引き締まりました」と話すのは当然だ。これまでストライカーの位置やトップ下、あるいはインサイドハーフでプレーしてきたが、全体的にスピード不足は否めない。一方でターンして前を向く技術とセンスはチームメイトも一目置いている。天皇杯2回戦・FC大阪戦では不完全燃焼に終わったが、再びチャンスをもらえるかどうかはキャンプ中のパフォーマンス次第だろう。

 

 

というのも2日目午後には扇原貴宏が主力組に入っていた。他にも負荷を調整するためフォーメーション練習から外れた中澤佑二の位置に栗原勇蔵が入り、両ウイングも午前は左・ユン・イルロク、右・仲川輝人だったのが、午後は左・遠藤渓太、右・オリヴィエ・ブマルにスイッチされていた。また、喜田拓也は一貫してインサイドハーフで起用されている。

各ポジションで競争は激化しつつあり、今後も頻繁にメンバーを入れ替えながら練習を進めていく可能性が高い。あっと驚くような抜てきがあるのか、あるいは前半戦の主力メンバーが引き続きポジションを確保していくのか。チーム力の底上げという点でも良い循環が生まれつつある。

 

 

 

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