【VS YSCC横浜preview】今季公式戦初のベンチ入りとなった野沢零温と佐藤龍之介【試合前コメント無料公開】
◇17日 ルヴァン杯2回戦 YSCC横浜 – FC東京(ニッパツ三ツ沢球技場)
今季のルヴァン杯は大会方式が大きく変わり、J3までの全60クラブが参加。トーナメント方式で争われ、ベンチ入りメンバーも2人増える。ここまで出場機会に恵まれていない選手にとっては格好のアピールの場となる。初戦となるYSCC戦を前に、野沢零温と佐藤龍之介に話を聞いた。
◇野沢零温
──今季初めて公式戦でベンチ入りする可能性もある中での心境を教えてください。
コンディションもどんどん上がってきて調子は悪くない。いつチャンスが来てもいいように準備はしているつもりです。チャンスをつかむ準備はできていると思います。何があってもおかしくはないので、それがいい方向に転ぶかどうかは自分次第だと思っている。自分の力だけではどうにもできないところもあるけど、できるだけ足掻いて自分の手でチャンスをつかみ取っていきたい。
──中央でプレーする可能性もあるが?
FWなので中央でプレーしたい気持ちはあります。ただ、昨季は右サイドで、今季は左サイドといろんなポジションを経験させてもらって、前線だったらどこでも対応できる体と頭の準備はできている。そこはプラスに考えている。やりたいポジション、得意なプレーはあるけど、どこのポジションでも自分の特長は生かせていると思うし、自分の力は通用すると思っている。与えられた場所と、時間でやり続けるしかないと思っています。
──昨季のルヴァン杯は悔しさで目元を腫らした。あのときと今とでは心境に違いがありますか?
もちろん1試合、1試合、一瞬、一瞬が、これが最後だと思ってやっている。そこに代わりはありません。でも、去年、東京でJ1でプレーさせてもらったり、期限付き移籍した松本山雅でも試合に出させてもらっていろんな経験値を得た上でいまがある。去年とは少しいい意味で余裕を持てて、過信ではなく、自信も持て始めていると思う。成長を実感するまでには至っていないかもしれない。でも、自分の中では少しずつ上がってきていると感じ始めている。そこは自信を持ってプレーしていいと思う。メンタル的な部分でも1年経っているので、去年は結果が残せなかったので。同じ結果ではなくそこは去年とは違うことを示したい。
──このルヴァン杯を契機にしたいという気持ちは強いと思います。
去年もルヴァン杯に何試合か出させてもらったことがリーグ戦につながったと思うので。今自分に与えられた立場上、チャンスは決して多くはないと思っています。立ち位置や序列も決して高くはないですし、むしろ一番下だと思っている。それは去年と変わらないし、割り切ってこれ以下はないと思ってやり続けているので。そこは自分自身覚悟を決めて戻ってきているので、つべこべ言わずに結果で示していきたい。
──1分1秒をつくっていく作業になると思う。
どんなに時間が短くても、そこでしっかりとチャンスをつかみ取らなければいけない。次につなげていかないといけない。今回ルヴァン杯はトーナメント方式だし、負けたら終わりの一発勝負。そう言う意味でも、チームのために戦わなければいけない。そうやってチームに戦ったことが自分に帰ってくると信じてまずはチームの勝利のために行動していきたいと思います。
◇佐藤龍之介
──ずっとチャンスを待ち続けた中で、出場したらどんなことを大切にしたいですか?
一番は勝つことだと思っている。もちろん個人の結果を求めていきたいけど、個人の結果以上にチームの結果が出た選手の評価につながると思っている。やっぱり結果として勝ち上がってもう一度チャンスをつかむことが一番の目的にしていきたい。
──昨季の野沢大志ブランドンのように出続けて、勝ち上がることで自分の居場所をつくっていきたい。
まずはこのルヴァン杯より前に試合に出られれば良かったけど、ルヴァン杯は絶対に出て自分のステージを自分でつくっていきたいと思っていた。なので、勝って次につなげていきたいと思います。
──プレーではどんなところを見せたいですか?
やっぱり攻撃で違いをつくれるところが自分の特長だと思っているので、それほどそろって練習する機会はないと思うが、もし出場できたら試合の中でたくさん声を掛け合ってみんなのいいところをかみ合わせて楽しいサッカーをしたいと思います。
──直近の練習試合では守備に走らせる場面も多く、なかなか楽しむことはできていなかった。
ボールを保持して常に攻撃的なサッカーがチームとしてもやりたいこと。自分としてもボールを持っていないと楽しくない。チーム全体で保持をしながら、だけど相手に脅威を与えられるようなサッカーをしていきたいと思います。
──前線が代表活動で不在のなか、自分の居場所をつくることができれば理想的だと思います。
それができたら最高ですね。タロウ(荒木遼太郎)君、(松木)玖生君がいないなかであそこのポジションはチャンスだと思うので、そこのポジションをつかむためにアピールしていきたいと思います。
──昨季ルヴァン杯でトップチームデビューを飾ったが、あのときと心境に違いはありますか?
全然違います。試合に出られることのうれしさを感じるというよりも、きっと自分でもよく分かっていなかったのかもしれない。あのときはすごい世界に来たなと感じたぐらいだった。でも、今回はちょっと違う。プロで試合に出ること、一試合に出ることの難しさは昨年の夏以降にずっと感じてきたので全然違います。
──相当悔しい思いもしてきたと思います。
練習試合でどんなにいいプレーをしても、公式戦で出て結果を残さなければ監督にも、サポーターにも認知はされないと思っています。そういう意味でも公式戦でチャンスをつかみたい。
──本当に周りの良さを引き出せる選手だと思います。
やっぱり自分一人じゃ勝てない。自分、自分になってもいいプレーができるタイプではない。チームとしていいプレーができているからこそ、輝けると思っているのでみんなでやっていきたいと思います。
──個人的にはあの開幕前のキャンプで見せたサンフレッチェ広島戦の後半の続きが見たい。
そうですね。あそこでパッと入ってああいうプレーができたことは自信にもなっていた。ヤン君からもうれしいことに『一緒にプレーしたい』と言ってもらえているのでリーグ戦の同じピッチに立てるように頑張っていきたいです。
photo by Kenichi Arai,Masahito Sasaki