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バングーナガンデ佳史扶が日本代表に初選出 長友と交わした「オレも21歳で初代表。おまえも今年入らなきゃな」という約束を果たす【無料公開】

 

 日本サッカー協会は15日、国際親善試合のウルグアイ代表戦(24日・国立)とコロンビア代表戦(28日・ヨドコウ)に臨む26選手を発表した。FC東京からは、DFバングーナガンデ佳史扶が初招集された。

 

「正直、U-22のほうに入れるかなと思って過ごしていたので。考えてもいなかったので、いまもビックリしています」

 

 自身もそう口にした驚きの初選出となった。この日の練習前に、DF長友佑都から「頑張ってこいよ」と声を掛けられたが、「何のことか分からなかった」と言う。その後、小原光城GMからチームメートの前で発表され、そこで初めて自分の代表入りを知った。

 

 そして、バングーナガンデは長友に「さっき言っていたのはこういうことなんですね」と話し掛け、「すごいありがたい言葉をいただきました」という。

 

 いつかは追い越さなきゃいけない存在だという長友もA代表入りは21歳のときだった。その話を今季開幕前のキャンプで、長友から「オレは21歳で代表に入ったから。お前も今年入らなきゃなと言われていた」と明かす。自らの代表初選出の一報を聞き、その話を真っ先に思い浮かべた。

 

 昨年のワールドカップ(W杯)カタール大会をテレビの前で見守った。そこで熱く激しく戦う長友の姿を見て、W杯の舞台が憧れから目標へと変わった。

 

「日頃からW杯の舞台で活躍した佑都さんの隣で練習させてもらっていて、こういう人が行ける舞台だと見て思っていた。(代表に)行ったらそういう人たちがたくさんいると思うので、楽しみです」

 

 驚きの初選出となったが、ただ呼ばれただけで終わるつもりはない。

 

「本当に呼ばれるからには行くだけというのは、一番やっちゃいけないこと。本当に消極的にならずに、積極的にドンドン結果を出すことにフォーカスしてガツガツしていきたい」

 

 代表初選出当時の長友も、ギラギラしていた。だからこそ、あえて聞いた。「ギラギラしていますか?」。それに正面から向き合い、こう答えた。

 

「行くからには、いまは驚きもあるんですが、緊張はあまりない。呼ばれたからにはやってやろうという気持ちでいます」

 

 ここから夢への一歩を踏み出す。背中を追う長友から掛けられた言葉の中身は「まだ(胸の)中にしまっておきます」と口にした。その金言を胸に、勇躍初代表に乗り込む。

 

 

 

text by Kohei Baba

photo by Kenichi Arai

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