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髙萩洋次郎インタビューvol.1「CROSS ROADS~サッカーとの関係~」

 

 人が息をつくところには、余白があって無駄も必要だけど、髙萩洋次郎は「無駄が嫌い」だという。だからなのか、普段から人より先を読んで行動する。「なぜか?」と聞くと、「せっかちだからじゃないですか?」と言い、こう続ける。

 

「こうしておけば終わると、先を読むのは無駄をしたくないから。自分がやる以上は、面倒なことはしたくない」

 

 合理的に最短ルートの道筋を立てるのがうまく、何でもできてしまう。その代わりに飽き性でもある。「サーフィン、スノボー、ゴルフ、スキューバー。何でもやった」と、指折り挑戦してきたことを並べる。

 

「ゴルフ道具一式とか、スキューバーダイビングも免許まで全てそろえた。でも、すぐに飽きてやらなくなってしまった。遊びだから、ある程度できればいい。だから、もういいやってなる」

 

 そんな性分でも、サッカーだけは一途に続けてきた。

 

「サッカーの場合はそれがうまくいかない。正解がないというか、当たらないほうが多い。だから、唯一飽きていないのかもしれない」

 

 なるほど、『無駄をしたくない』のマクラに、『サッカーのために』をつければ合点がいく。それほどまでに、転がるボールは彼を夢中にしてきたかもしれない。

 

 昨夏に東京を離れ、36歳となった洋次郎は今年もボールを追い続けている。

 

 

◆力加減は7割でいい

 

―あらためて5年半過ごしたFC東京というクラブはどんな場所でしたか?

「離れると、いいところだったなと実感しました。どこと比べるというよりも居心地が良かった。5年半もいれば、日常になってくる。どこに行っても最初は慣れなくても、長くいればそこが日常になるので。慣れもあったと思うけど、居心地は良かったですね」

 

―そういえば、加入1年目が終わった後に『ようやく慣れてきた』と言っていたのを思い出しました。最初の印象はどうでしたか?

「最初の印象は、みんな能力が高いな、個性が強いなと感じました。いろんなチームに行ってみて思うことはプロサッカー選手になったり、J1で活躍したり、それこそ海外に行く選手には個の特長が必要だということ。六角形や五角形のチャート表があるとすれば1カ所だけ飛び出ているような人が多いという印象です。そういうところがないと、プロで活躍するのは難しい。最近はそう感じていて、FC東京の選手にはそうした何か飛び抜けた特長や能力を持った選手が多かったと思います」

 

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