おかえり~!U-19日本代表佐藤龍之介が帰京、U20アジアカップ出場を決めた勢いを青赤軍団にもたらす「メラメラしたところを見てもらえたら」【2024 ニュース/無料公開】

撮影:後藤勝
U-19日本代表の佐藤龍之介は9月29日までキルギスで開催されていたAFC U20アジアカップ中国2025予選から10月1日の深夜に帰国。2日は完全オフを満喫し、しっかりと休息をとってリフレッシュ、3日からFC東京の全体練習に合流した。久しぶりに小平の天然芝を踏みしめた佐藤は元気いっぱい。7番を背負って日本のU20アジアカップ出場権獲得に貢献したロス五輪世代の至宝が、今度はJリーグの舞台で輝くべく激しい競争に臨む。
◆潤滑油になれるようにしたい
「試合内容は正直楽しくなかったですけど、遠征自体、アジアの戦いでいい戦いをしたことは、自分としてはよかったかなと思います」
親善試合や練習試合ではなく、次の舞台の出場がかかった公式戦。結果が大事なU20アジアカップの予選を突破し、帰国したことがなによりも尊い。「内容より次につなげることが今回一番大事だったと思った」と、佐藤。目標を達成し、安堵の帰京だった。
思えば東京でなかなか出場機会を得られず、代表で結果を残しては帰ってくる日々だった。今回のU-19日本代表遠征に出発する前も同様。リーグ戦の出場は4月21日のJ1第9節FC町田ゼルビア戦と27日のアルビレックス新潟戦の2試合のみ。期待値に対し、出場時間が追いついていない感があり、当の佐藤自身にも忸怩たるものがある。しかし前向きに取り組むことで、こうした時間を無駄に指定はい。
「あの時はなんで入れないんだとは思いましたけど、それはシーズン通して思っていることですし、自分にベクトルを向けて何が足りないのかということを少しでも考えて取り組んでいたので、マイナスではないですね」

撮影:後藤勝
東京としては年内にあと6試合、約2カ月間の活動期間がある。この間に猛アピールを繰り返して少しずつ公式戦のピッチに近づいていきたいという青写真を、佐藤は描いていた。
「今月は練習試合がけっこうあると思いますし、そこでまずアピールすることがひとつ。あとは、自分が出た時に自分の色というものを出せるように、人と同じこと、例えば守備で追うとかはもう出来て当然というか、その上で自分にしか出せないプレーを出せればいいのかなと思います」
7月、8月の苦しい時期を経て東京のチーム状態は好転し、途中出場の選手が入っても個々の持ち味を発揮しやすいよう、前提が整ってきている。佐藤もまた原川力、安斎颯馬、中村帆高、野澤零温といった選手同様、途中出場でチームを活性化させる働きが出来るかもしれない。
「(東)慶悟さんが入って。自分としては慶悟さんとけっこう相性がいいというか、練習の中でも試合の中でもいっしょにプレーすることが多かったので、そこの感覚は多分試合に出ても出せると思いますし、いまみんな迷いなくプレー出来ていると思うので、自分がそこに入っても潤滑油になれるように、みんなのよさを引き出しながら、自分のメラメラしたところを見てもらえたらと思います」
重心が前に傾いてきている現在の東京では、東や原川、荒木遼太郎だけに留まらず、前目でチャンスをつくりゴールに関われる選手の数は足りないくらいになってきている。佐藤の存在は、その需要にも合致しているはずだ。
「代表に行く前、ピーターさんにもけっこういい評価をもらえていましたので、自分としても手応えがありますし、チームがやってきているスタイルに自分のよさも合うと思うので、試合に出る時が楽しみです」
代表では中心の佐藤もクラブでは若手。ここから公式戦への道のりは容易ではないが、不可能な仕事でもない。年内に再びJ1のピッチを踏むべく、佐藤はギアを目一杯上げようとしている。

撮影:後藤勝
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