ロアッソ熊本に完敗。平川怜、松岡瑠夢の東京ユース出身勢にお灸を据えられたFC東京、4回戦で敗退決定【天皇杯ラウンド16 vs.ロアッソ熊本 第1報News/無料公開】

平川怜(右)と松岡瑠夢(左)。
8月2日、FC東京はえがお健康スタジアムで天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会 ラウンド16(4回戦)に臨み、ロアッソ熊本と対戦。0-2で敗れ、大会から姿を消した。
東京の遠征メンバーが前日に搭乗を予定していた便が欠航。代替便を探したが遅い時刻の熊本入りとなり、影響は皆無ではなかったが、それを考慮しても熊本の運動量は東京のそれを上回っていた。試合後、ピーター クラモフスキー監督はいっさいの言い訳をせず、熊本の戦いを讃えた。
前々日は戦術練習、前日はPKを含め時間をかけて準備をおこなったが、大木武監督が指揮を執り始めて4シーズン目の熊本の熟成度には及ばなかった。東京は熊本の鋭いプレッシャーとタイミングのいいウラ抜けに対して後追いとなり、開始早々に伊東俊を倒して熊本にPKを与えた。これを前半4分、平川怜に決められて先制を許すと、後半9分にはカウンターから松岡瑠夢に豪快に決められた。序盤の15分間で熊本のやり方に慣れたようには映ったが、この日のゲーム中に東京の選手たちが打開策を見出すことは難しく、攻守に長い距離のハードワークと1対1の勝負で優る熊本の選手たちに上回られた。先発の1トップ伊東が負傷で前半8分に退きロアッソ熊本ユース出身の大砲、道脇豊に替わっても機能性はまったく損なわれなかった。

FC東京U-18出身のふたりが活躍。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)
試合後、大木監督は「FC東京さんがしっかりとサッカーをしてきてくれますので、非常に前線からプレッシャーが出来るゲームの内容になりました。これはFC東京さんに感謝しなきゃいけないなという気持ちもあります」と語ったが、そのとおり、基礎からチームづくりを始め、めざすスタイルに沿ってビルドアップをしようとする姿勢が、熊本のプレスの餌食になった。それをかいくぐってつなぐのか、蹴って回避するのかが半端になったまま、熊本にボールを奪われては攻め込まれる展開の繰り返しになり、ゴールを奪うことは出来ず。完敗だった。

肩を落とすピーター クラモフスキー監督。
◆ピーター クラモフスキー監督のコメント(青赤20で訊いた一問のみ)
──週末にすぐリーグ戦が来る。今日の試合から反省材料を見つけて次の試合に活かすとすると何になるか。
今日の試合の要素をすべて分析したいと思います。(この試合の東京側の)いちばん大きな点は、選手たちが勇敢に献身的に自分たちのフットボールをやりつづけて戦いつづけたところだと思います。それがいちばん重要だと思っていますし、それが将来の成功につながっていくものだと思っています。パフォーマンスを分析して選手たちにフィードバックする、それはいつもおこなっていることです。今日の選手たちすべてから出ていたのは、自分たちのフットボールに対して勇敢にやること、献身的にやること、気持ちを出して戦うこと。
なぜそういった話をしたかというと、こういった試合ではプレッシャーがかかったなかで「自分が隠れてしまう」選手もいるかもしれない。ただ我々の選手たちは、自分たちが信じて自分たちにフットボールをしながらそれでも解決法を見つけながら戦うということをやっていってくれたと思います。そういうところが、これから自分たちが将来なっていきたいチームになるためには重要なことだと思っています。
質問への答えになりますが、それは「すべて」です。すべてに於いて自分たちが改善していかなければいけないと思っています。すべての要素に於いて、すべての局面に於いてもっとよくなっていかなければいけないと思いますし、それを継続していかないといけないと思っています。

言い訳をしなかったピーター クラモフスキー監督。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)
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