徳元悠平、チームメイトの活躍を促した攻め上がりの抑制。考えるサッカーで成長する沖縄の雄を見逃すな。燃えるサイドバック戦線【リード文からコメントまで無料公開】

撮影:後藤勝
糸満市の出身であり、プロデビューを果たしたクラブはFC琉球。当然、その琉球との練習試合では、沖縄県生まれのJ1プレーヤーである徳元悠平を見ようとする沖縄県民が一定数詰めかけていた。能力的に均質的で穴の少ない安定したプレーをするという印象だったが、それに対し、琉球のサポーターのなかには「もっとタテにグッと行ってほしい」という意見もあった。
徳元は大丈夫なのか。FC東京で輝きを失っているのではないか? しかし二次キャンプで本人に現状を訊ねると、笑いとともに不安を払拭する答えが帰ってきた──ここではツエーゲン金沢戦とサンフレッチェ広島戦に挟まれた2月3日練習後の囲み取材に於けるコメントを無料で掲載し、その後、新加入選手のフィット具合の差やサイドバック戦線の状況について語っていく。
◆一問一答

撮影:後藤勝
──金沢戦(2月2日の練習試合)の敗戦をどう受け止めて次に活かそうとしているのか?
簡単な失点の仕方をしてしまいましたが、それは声で解消出来たことがあったと思っています。それを遠慮なくしっかり言えるようにしたい。それから、もっとシュートを撃つというところもすごく大切になると思うので、ぼくもクロスを上げることになればいいボールを配給したいと思いますし、それが次に絶対つながると思う。そこは整理出来ています。
──いま仰ったことがこのあとの開幕までの期間でやることになるか?
そうですね。
それと、スタメン組でもサブ組でも全選手とコミュニケーションをとるくらい、お互いに知ってもらったり、知られたらいいかなと思うので、そういう時間にしたいと思います。
──このキャンプの期間で、チームに馴染むという意味ではかなり溶け込めた?
はい、沖縄キャンプ後に、それまでだいぶ遠慮していたところが(帰ってきたあとの)東京の四日間の練習で出来るようになりましたし。ここ(宮崎)でも出来ていますし、すごくいい時間を過ごせているなと思います。
──いわゆる“穴のない”選手に映るが、その自身の特長をどう捉えているか?
いやでも、やっぱり(試合によっては1本目に)出られていないということは、ポジショニングの位置(が難点と見られていることが要因)だと思うので、そこは自分の試合ではなく(バングーナガンデ)佳史扶や(長友)佑都くんが出ている試合を観て『ここに入ったらいいんだ』という勉強はしています。
もちろん対人であったりオーバーラップについての自信はありますけど、そういう(ポジショニングを重視する)攻撃のチームなので、どれだけ偽サイドバックというか、そういうところにスッと入れることが重要だと思うので、まだまだそこが負けているから出られていないと思っています。そこはしっかり学べているな、と。そこが個人的にはまだまだなのかなと思います。
──そのようによく考えてプレーしているのだと思うが、他方、一次キャンプの琉球戦のときに琉球のサポーターと話していると「もっとタテにグッと行ってほしい、そういうところを観たい」という声もあった。もちろん、タテに行くプレーを出せないわけではななく、出していないだけだと思うが?
ワハハ(笑)。
組む選手によって変わると思うんですけど、たとえば俵(積田晃太)がすごくドリブラーなので、その邪魔をすることは絶対だめですし。琉球戦なんて(タテに行かないことによって、俵積田が)カットインしての得点につながりましたし、それは、もう見て判断出来る年齢にもなりました。経験も積んだので。
効率的なオーバーラップを求めるような経験値は積んでくることが出来ていると思っています。
琉球にいたときは(プロ)一、二年目だったので、いくらでも走れるよという(笑)。それが琉球のサポーターの脳裏には残っているんだと思うんですけど、そこも観ています! 琉球のときのプレーの映像も観ています。「(かつて)これだけ(タテに)行っていたんだな」と、自分に言い聞かせてやれているのもあるので。
──出すときにはピークのものを出すけれど、それは、いまは状況を踏まえて取捨選択してやっているんだ、ということか。
そうですね。本当に組む選手によって変わります。(渡邊)凌磨やレアだったらどんどん中に入ってくれるので、(外側に)スペースがあって行きますけど、俵であったりアダとだったら、彼らは本当にすばらしいドリブラーだと思うので、(ふたりの特長に合わせて)いい時間をつくって、というサポートに徹することが出来ているのかなと思います。
◆サイドバックの現状

撮影:後藤勝
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