呆気にとられるほどの完勝劇。試合が始まる前から決着がついていたのか、明暗を分けた“これまで”の彼我の差【ルヴァンカップ準々決勝「FC東京vs.名古屋グランパス」観戦記】

©F.C.TOKYO
今シーズンの試合後記事としてお届けする「観戦記」。今回は味の素スタジアムで開催された9月2日のルヴァンカップ準々決勝、一発勝負で90分間が同点だと即PK戦というレギュレーションで開催された名古屋グランパス戦について書いていきます。
前半はずっとFC東京のターン。とはいえ決まったゴールはわずかに1で、名古屋にひっくり返すチャンスは残されていました。実際、マッシモ フィッカデンティ監督はハーフタイムに3人を交代させ、一度はペースを握りかけます。いま思うと後半2分にマテウスの右コーナーキックがクロスバーを叩いて直接決まらなかったことが運命の分かれ道だった気がしなくもありません。名古屋は攻め立てようとしますが東京の守りを崩せず、ただ優勢であるという状態になっただけで時間が過ぎていきます。そして10分間の区切りを迎える前であった後半8分に安部柊斗が2点目を決め、この時点で大勢は決しました。殊勲のディエゴ オリヴェイラはきっちり60分間でピッチをあとにし、信頼度の増してきた内田宅哉にバトンを託します。残り15分のタイミングでは永井謙佑を下げてアダイウトンを送り込み、この“ひとりで出来る”重戦車が例によって単騎突撃でゴールを決めてダメ押し。最後はレアンドロと安部を下げてクローザーとして原大智と三田啓貴を投入。土砂降りだった時間帯に内容的には既に終わっていて、このふたりが入ってからの時間はまさにエピローグというべきものでした。
なぜこれほどの差がついたのか。キックオフの笛が鳴る前に勝負がついていたことを、我々は試合後の記者会見で知ることになります。
◆マッシモ フィッカデンティ監督の表情がすべてを物語っていた
名古屋のフィッカデンティ監督はその表情に哀愁を湛(たた)えながら、じつに丁寧に、チーム状態について
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