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【有料記事】室屋成、温泉と和食パワーで守りきる!/Preview◆マリノス攻略のポイント~篠田善之監督、東慶悟、田邉草民、森重真人(2016/08/19)

「あくまでサイドバックは守備のポジション」と、ディフェンス面での働きを強調する室屋成(写真は17日のもの)。

「あくまでサイドバックは守備のポジション」と、ディフェンス面での働きを強調する室屋成(写真は17日のもの)。

◯もう肉は飽きた!? 室屋成

久しぶりに小平グランドで見る室屋成の表情がここ三日間、憑き物が落ちたかのようにさっぱりしていたのには理由があった。
「オフに、家族で箱根温泉に行っていたんですよ。ブラジルではシュラスコばかり食べていたので、日本食がおいしくて。当分、肉はいらないですね。寿司系で」
午後に降雨があるかもしれないと、予定を変更して午前の練習となった19日、やはり日差しは強かった。
「日本のほうが暑い」
おなじみの言葉が口を衝いて出た。それはブラジルから日本へ、リオ五輪からJリーグへと、フィールドが変わったことの証明でもある。

ナイジェリアとの撃ち合いとなった初戦で5失点。ディフェンスの一員として批判に晒された。「緊張しない性格なんですけど、いま思えば、最初の試合では硬くなっていたのかもしれない」。しかしつづくコロンビア、スウェーデンとの戦いでは、その硬さはなくなっていた。
だからこそ守備に瑕疵があった対ナイジェリア戦が悔やまれる。帰国後の室屋は、何度訊いても常に「ディフェンス第一」を繰り返してきた。サイドバックである以上、もう守備に脆いところは見せない。そのうえで攻め上がる。そういう気持ちが、言葉の端々ににじみ出ている。
「(マリノスは)中盤にうまい選手が多いので、耐える時間も多くなると思います。そういうバランスのところはしっかり見ないといけない。あくまでサイドバックは守備のポジションなので、まずは失点しないことを考えながら、攻撃に絡んでいきたいと思っています」

引いた守備を意識しすぎてナイジェリアの選手に必要なスペースと距離を与えてしまった失敗。そこから意識を転換した結果、列強に伍する守備ができた。この点が室屋に自信を与えている。
「球際の部分はナイジェリア戦では全体的に負ける部分が多かった。守備からということを意識しすぎて抜かれたところがありました。次の試合以降は自分たちからアクションを起こし、プレスをかけることにしたなかで、一人ひとりが球際に勝ち、奪い取ってカウンターという場面を多くつくることができた。そこはヨーロッパ相手でも、日本人でも戦える、と思いました」

通用したという手応えがあるからこその「ああいうなかでも自分の実力を出さないといけない。ああいうなかで、もっとやれたと思うのが、自分の現在地なので」という悔しさがあることは、篠田善之監督も察していた。
「向こうで悔しい思いをしているだろうし、得たものもあるはず。それをチームのために還元してほしいと思っています。彼らには、自分の持っているものをチームのために出してほしいと言いました」

その思いは室屋に通じているようだ。
「前節でFC東京は負けてしまったので、ホームで勝って流れを掴みたい。まだぼく自身はJリーグでの出場試合数が少ないですし、レギュラーをとれているわけでもない。まずはチームですけど、個人として自分のプレーをしっかり出すことで、信頼されないといけない。あしたの試合は自分にとっても大事な試合になると思います。新しく篠田監督になってから、ぼくにとっては一試合めなので、どんどん自分のよさを出していけたらいいと思っています」
前節で4失点を喫したディフェンスの立て直しに貢献し、ときおり鋭いサイドアタックを仕掛ける。リオオリンピックのあの結末から進歩したいと思えばこそ、J1の舞台が待ち遠しい。

◯守備の修正で失点を防げ!

対ヴィッセル神戸戦の4失点で浮上した守備が課題であることは言うまでもない。森重真人は噛みしめるように、

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