「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J1-11[A] サガン鳥栖戦『ただの2勝目ではない』(24.5.4)

2024年5月3日(金・祝)
J1第11節 サガン鳥栖 vs 東京ヴェルディ
15:04キックオフ 駅前不動産スタジアム
[入場者数]13,076人 [天候]晴、無風、気温25.5℃、湿度25%

鳥栖 0‐2 東京V
前半:0‐1
後半:0‐1
[得点]
0‐1 木村勇大(20分)PK
0‐2 松橋優安(90+7分)
※A=アシスト、及び今季の通算数。東京Vのみカウント。

●東京Vスターティングメンバー
GK1   マテウス
DF22 翁長聖(85分 深澤)
DF4   林尚輝
DF15 千田海人
DF26 袴田裕太郎
MF10 見木友哉(65分 齋藤)
MF17 稲見哲行
MF7   森田晃樹
MF14 チアゴ・アウベス(65分 松橋)
FW20 木村勇大(90+4分 山田裕)
FW9   染野唯月(85分 綱島)
(ベンチメンバー:GK21長沢祐弥。DF2深澤大輝、25山田裕翔。MF8齋藤功佑、23綱島悠斗、33松橋優安。FW11山見大登)

監督 城福浩

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■木村勇大、チームトップタイの今季3点目

右サイド、染野唯月が抜け出し、トップスピードで駆け上がる松橋優安が山﨑浩介の前に入る。そこへ、グラウンダーのクロス。松橋の右足はボールを捉えられない。逆サイドに抜けていった。

ゲームは終盤に入り、東京ヴェルディがサガン鳥栖を1点リード。この83分のシーンの前にも、松橋はゴールに肉薄した。81分、木村勇大がドリブルでサイドをえぐり、中央にラストパスを送ったが、合わせられなかった(仮にネットを揺らしてもオフサイドの判定で取り消されていたが)。

今日も惜しかった、で終わるのか――。

そうして、確たる結果をつかみ損ね、消えてゆく選手を何人も見てきた。きっかけを得て上にいく選手と、チャンスを生かせず下に沈んでいく選手。隔てられたふたつに、どれほどの違いがあろう。純然たる能力やパーソナリティの差ばかりとは思えない。かといって、すべてを運のせいにするのは乱暴すぎる。何度思い返しても、僕にはわからない。

ただ、そのときの松橋の心持ちは、僕が想像していたものとは違っていた。

「今日、おれにはチャンスがあるぞ」

壁を乗り越え、向こう側にいく人の答えのひとつがここにある。

(残り 2710文字/全文: 3616文字)

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