J1第9節全試合振り返りLIVE(J論)【4/7(月)22時】

「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【トピックス】『奮闘の末、現在地を知る』U‐22日本代表アメリカ遠征現地レポート(23.11.1)

一気に駆け上がり、U‐22日本代表入りを果たした新井悠太(東洋大3年)。高いレベルでの経験が糧となるだろう。

一気に駆け上がり、U‐22日本代表入りを果たした新井悠太。高いレベルでの経験が糧となるだろう。

来年のパリ五輪を目指すU‐22日本代表は10月8日からアメリカ遠征を行い、14日にU‐22メキシコ代表と、17日にU‐22アメリカ代表と親善試合を行った。
東京ヴェルディで育ち、いまや欧州に活躍の舞台を移した山本理仁、藤田譲瑠チマ(ともにシント=トロイデンVV)が主軸を担い、今回は新井悠太(東洋大3年)
が初招集されている。
高校時代から新井を知る、SBG特派員=松尾祐希(サッカーライター)が新たなる挑戦を追った。

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■高校年代ではまったくの無名

10月5日の13時55分。U‐22日本代表のアメリカ遠征に臨むメンバーリストがJFAのメディアチャンネルにリリースされた。いつもはオンタイムで世に出るのだが、なぜか今回のアメリカ遠征のメンバー発表は記者会見が行われる5分前。珍しいなと思いながら、慌てて上から順に目を通していく。

「GKは小久保玲央ブライアンがいないなぁ」などと思いつつ、ほとんどの選手が常連組で想定どおりのメンバー。中盤の選手を見ても納得のいく選考だったが、下から5番目の名前を見た時に「おっ」と思わず声を上げた。東洋大の3年生で、2025年から東京ヴェルディへの加入が内定している新井悠太が初めて代表に入ったからだ。

招集の予感は少なからずあった。斉藤光毅(スパルタ・ロッテルダム)が負傷離脱中で、佐藤恵允(ヴェルダー・ブレーメン)は、直前までアジア競技大会に参加していた影響で招集できない。一時的に左サイドの選手層が薄くなっており、この半年の成長スピードを考えれば、試されたとしても不思議はなかったからだ。

今年の6月2日、東京Vへの加入内定が発表され、特別指定選手として7月9日のJ2第24節、V・ファーレン長崎戦(1‐2●)でJデビュー。いきなりゴールを決めただけではなく、小気味良いドリブルで“プロの先輩”たちを手玉に取った。

ひと言で言えば、キュンキュン系のドリブラー。小柄な体格を逆手に取り、相手より先にコースに入ってボールを奪われない位置に置く。一度スピードに乗れば、止められない。相手の懐にもぐり、どんどん前にボールを運ぶ。大学3年で加入内定を勝ち取ったのが納得できるハイパフォーマンスだった。

2023シーズンに入って東洋大で頭角を表したが、高校時代は無名の選手。出身は高校サッカー界の名門・前橋育英高で、当時はボランチを主戦場としていた。注目度はボランチでコンビを組んでいた櫻井辰徳(徳島ヴォルティス)が上。相方は早くからJリーグのスカウトたちに熱視線を送られていた一方で、新井は最終学年を迎えてもポジション争いの真っただ中にいた。

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