「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【無料記事】【トピックス】新連載『中根玄暉 新米サッカーコーチの日常』〈1〉(20.4.15)

4月6日(月)
午前、よく足を運ぶコーチャンフォー若葉台(大型複合店)へ。 ※とてもオススメの場所です。皆さんもぜひ。
ここで2時間近くの立ち読みを終え、マクドナルドのドライブスルーを頼み、自宅に帰ろうと若葉台駅近くを自動車で走っていた。すると、カップルが手をつなぎ、楽しそうな表情でこちら側に歩いてくる。徐行し、さらにスピードを緩め、車の中からこっそりとがっつりとそれを見てしまう自分。運転中、カップルをみるとスピードを緩め、それを見てしまう気持ちわかる人いないかなぁ、、?
いいなあ〜青春だなあ〜 おれも制服着てこんな風に彼女と帰ってみたかったなあ〜。
そんなことを思ったのも一瞬。すぐに、帰ったら今日は柏レイソル対北海道コンサドーレ札幌の試合を見ようと計画した。やっぱり俺はサッカーが好きだ。

4月8日(水)
東京ヴェルディユース同期の渡辺皓太がパパに。コウタ、おめでとう! がんばれ!

 

●今回のお題「 同期でプロ入りを決めた選手たち。コーチ目線で見た彼らの一番の長所は? 」

・深澤大輝(ポジション:センターバック)
深澤選手の一番の長所は、早さです。
守備では、ヘディングの落下点に入る早さ、寄せの早さ、カバーリングの早さ、どの局面でも準備と予測の早さに長けています。攻撃では、ビルドアップが上手く、それも自分の元にボールが入ってくる前のポジション取りの早さ、身体の向きを作る早さによって、より良い状態でプレーに繋げることを可能にしています。つまり、攻守において、自分の元にボールが入るときには、準備と予測の早さで相手を一歩上回った状態でプレーができるという事です。
彼の一番の長所は、準備・予測における「早さ」だと思います。もちろん足も速いですが。

・渡辺皓太(ポジション:ボランチ・インサイドハーフ)
渡辺選手の一番の長所は、賢さです。
足元の技術の高さや球際の強さなどにも目がいきますが、ボールがないときに、相手・味方・スペースを見ながら、どこにポジションを取り、どこにランニングをすると相手が嫌がるかを考えながら、チームにとって効果的なプレーができる頭のよい選手です。守備ではあえてパスコースを空けてそこに出させてボールを奪うといった駆け引きの上手さ、ずる賢さがあります。
彼の一番の長所は、攻守において常に相手と駆け引きをしながら、相手の嫌がることができる「賢さ」だと思います。

・古賀俊太郎(ポジション:ボランチ・トップ下)
古賀選手の一番の長所は、意外性です。
観ている人が、「ここでそのプレーを選択するんだ」「そこでそっち見えてるんだ」と感じる ような発想、アイデア溢れるプレーを魅せることができる選手です。周りを広く見えていて、基礎技術が高いがゆえに、意外性のある相手の逆を取るプレーを選択できるのだと思いま す。中央のポジションで、相手の予測を上回る彼のパスやドリブルは相手の守備対応を難し くさせます。
彼の一番の長所は、誰にも真似できないような「意外性」のあるプレーができるところだと思います。

・大久保智明 (ポジション:右サイドハーフ)
大久保選手の一番の長所は、ドリブルです。
細かなタッチ、スピードから繰り出される左足でのドリブルは、チームを前進させ、攻撃をスピードアップさせ、相手のディフェンダーに脅威を与えることができます。このドリブルによって、相手の目線が彼に集中し、自然と味方の選手に時間とスペースが生まれます。右サイドで前向きでボールを持ったときは、縦へのドリブル、中へのカットインのドリブルを両方持ち合わせていて相手に迷いを生じさせます。局面を自らのドリブルで打開できる貴重な選手だと思います。
彼の一番の長所は、相手ディフェンダーに緊張を走らせる「ドリブル」だと思います。

・松本幹太(ポジション:フォワード)
松本選手の一番の長所は、スピードです。
まず、単純に走るスピードが速いです。相手を置き去りにするスピードを生かしたドリブルからのシュート、相手ディフェンダーの背後を取る動きでゴールに直結するプレーができ、相手に怖さを与えることができる選手です。このスピードによってチームに攻撃の深さを 作り、マークが引きつけられ、結果的に味方を活かすことに繋がります。彼に正確なパスを送れる味方がいて、スペースがあればあるほど、より長所が発揮されると思います。
彼の一番の長所は、味方を活かしながら、自らゴールを奪うために必要な絶対的な「スピード」があることだと思います。

【海江田からひと言】
まったくの未知数で、期待していなかったせいもありますが、ナカネは思ったよりずっと書ける人ですね。連載の初回にしては上出来です。
「やっぱり俺はサッカーが好きだ」。まあ、日記ですから素直な心情の吐露はいくらでも構わないんですけれど、「好きだ」と表現せずして、この人ってマジでサッカー好きなんだなあと読者の感嘆を誘ってなんぼですよ。言葉で補強するのではなく、用意したエピソードに説得力を込めないと。ナカネ、わかりますか?
選手に対して「仕掛けろ」なんてことは誰でも言えるんです。そのダイレクトなメッセージが効力を持つ場合はいいとして、多種多様な性質を持つ選手たちを動かすのはそれほど単純ではないでしょう。戦術的なアプローチに加え、監督のキャラクター、ふだんの指導現場の背景にあるものすべてを駆使して、「仕掛ける」プレーを出せるように持っていく。敢えて「仕掛けろ」という言葉を封じ、あるいは別角度からのメッセージを用いて、選手がそうするように仕向ける。一部の名監督と凡百の指導者の差。言葉のマジックの正体の一部がここにあるのでは。

〈新米サッカーコーチ・中根玄暉への励まし、叱咤、密書、恋文、お仕事のご依頼などはこちらへどうぞ>
standbygreen@gmail.com

※次回は5月上旬を予定しています。

前のページ

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ